新人イチローは「美しく素晴らしく唯一無二だった」 米TV記者に刻まれる2001年の躍動
米スポーツ局ESPNは「21世紀で最も象徴的な21のシーズン」として2001年のイチロー氏を挙げた
イチロー氏の躍動が米メディアから再脚光を浴びている。米スポーツ局「ESPN」は「21世紀で最も象徴的な21のシーズン」として、マリナーズのイチローが新人王&MVPをダブル受賞した2001年シーズンを選出している。
イチロー氏は27歳だった01年に打率.350、出塁率.381、56盗塁で首位打者、盗塁王を獲得。パワー全盛だったメジャー球界に旋風を巻き起こし、シーズン116勝(メジャータイ記録)を挙げての地区優勝に大きく貢献した。MVP、新人王だけでなく、シルバースラッガー賞、ゴールドグラブ賞も受賞。同局でシニアライターを務めるデビッド・スコエンフィールド氏は「イチローは日本からの来たメジャーリーグ初の野手であったが、体の大きな打者が主流の中、小さく華奢であった彼は他とは異なったプレーをした。それは美しく、素晴らしく、そして唯一無二だった」と称賛した。
スコエンフィールド氏は打席に入った際に見せるルーティンに注目。投手方向に右手を伸ばしてバットを立て、左手で右肩付近のユニホームを引くものだが、同氏はかつて米ニューヨーク・タイムズ紙のデビッド・シールズ記者が「彼がこの動作をしているときは、世界が一瞬止まったように見える」と記したことを紹介。また、同年4月11日のアスレチックス戦で見せた三塁へのレーザービームも述懐。当時の実況アナウンサーが「スター・ウォーズの中での出来事のようだ」と語ったことも振り返っている。
さらに記事ではオールスター戦のファン投票では新人史上初めて最多投票を獲得したこと、イチロー氏のボブルヘッドデーには「ファンが4時間前から並び始め、列は6つの街のブロック分ほど伸びていた」と当時の盛り上がりぶりを伝えた。「日本語や英語で書かれた“Ichi-Hero,”のサインを掲げた日本人と日系アメリカ人(そしてその他のアジア人ファン)で溢れかえっていた」とスコエンフィールド氏。イチロー氏のルーキーイヤーの躍動は、いまだに米メディアの脳裏に深く刻まれているようだ。
他の「21世紀で最も象徴的な21のシーズン」には2000年レッドソックスのペドロ・マルチネス(18勝6敗、防御率1.74、217回、284奪三振)、2001年ジャイアンツのバリー・ボンズ氏(打率.328、73本塁打、137打点)、2009年カージナルスのアルバート・プホルス(打率.327、47本塁打、135打点)、2012年エンゼルスのマイク・トラウト(打率.326、30本塁打、83打点)などが挙げられている。
(Full-Count編集部)