【消えた選抜からの道7】「コロナは敵ではない」目標を奪われた平田ナインに監督が送った言葉
「敵はコロナではない」上田監督が手紙に込めたメッセージ
程なくして休校が決まり、それも延長となって今は少なくとも5月31日まで何ひとつできないもどかしい時間が続く。再び目標を失い、しかも今度は会って話を聞くことすらできない状況に、植田監督がとった手段は手紙だった。
「コロナが憎い、コロナが敵だと思うかもしれないが、本当の敵は自分の心の中にいると伝えました。もちろん、生徒にとってこんなに理不尽なことはない。それでも、そこで不安になったり、諦めたり、努力することをやめたりするのは自分。できるできないじゃなく、やるかやらないかなんだと」
初出場の聖地を奪われてから、早くも2か月が経とうとしている。2か月で依然状況は変わらず、最後の夏まで開催が危ぶまれるなか、今どんな教育ができるのか。現場の指導者も答えのない問いに頭を悩ませている。(終わり)
(佐藤佑輔 / Yusuke Sato)