「全国大会は秋でもいいから甲子園で」 元燕の拓大紅陵・飯田哲也コーチ

現在は母校・拓大紅陵の非常勤コーチを務める飯田哲也氏【写真:編集部】
現在は母校・拓大紅陵の非常勤コーチを務める飯田哲也氏【写真:編集部】

「みんな甲子園に憧れて高校野球をやっているわけですから、他の球場ではあまり意味がない」

 そして「甲子園にはこだわってほしいんです。みんな甲子園に憧れて高校野球をやっているわけですから、他の球場ではあまり意味がないかなと。秋になればプロ野球も開催されるし、高校も授業があるけれど、毎週月曜とか空いている日を使って、大会期間が長くなっても、なんとか甲子園でやれる可能性を模索してほしい。本当は無観客ではつまらないけれど、無観客でも甲子園でやれるのであればベターでしょう」と訴えた。

 飯田氏自身は高校時代、3年時に名将・小枝守監督(昨年1月死去)に率いられ、春夏連続で甲子園出場。「大会開幕前の甲子園での練習日に、『わ~、デカい!』と感動しました。当時はまだラッキーゾーンがありましたが、スタンドの奥行きがすごいし、ファウルゾーンも広い。入場行進も感動しましたが、そちらの方はふわふわした感覚で、あまり覚えていないんです」と振り返る。一方で、「甲子園の土は、練習日に持って帰ってきちゃいました。試合終了後は、次の試合の選手たちが入ってくるので、拾っている時間がないですから。僕らの2年先輩も甲子園に春夏連続出場していて、あらかじめ『土は練習日に拾っておけよ』と言われていたので、拓大紅陵ではそれが常識でした」と笑う。

 高校野球指導者としては、「プロであれば、我慢して起用しながら何年かかけて育てることもできますが、高校野球でそれはできない。監督はその時期に1番いい9人で戦うことを求められます。すごくいい潜在能力を持っているけれど、すぐには結果が出ないという選手は、残念ながら使えないんです。中には大学や社会人に進んでからグンと伸びる選手もいる。そういうタイプを含め、それぞれがうまくなるように教えていくのが、僕らコーチの仕事かなと思います」と抱負を述べた。部活動が再開される日を、腕をさすりながら待ち焦がれている。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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