DeNA梶谷、甲子園中止に沈痛 球児の心情思い「安易に頑張れとも言えない」
「すごく喪失感があると思うし、自分が同じ立場ならどうなってしまうんだろうと…」
DeNAの梶谷隆幸外野手が21日、オンライン会議システム「Zoom」を通して報道陣の取材に応じ、前日に新型コロナウイルスの感染拡大で夏の甲子園大会中止が決まった高校球児への思いなどを語った。
梶谷は島根・開星高3年の2006年夏、斎藤佑樹投手擁する早実が優勝した甲子園大会に出場し、初戦で日大山形高に逆転負け。同年の高校生ドラフト3位でプロ入り入団した。「僕も高校時代は生活の全てを甲子園に懸けていた。(高校球児は今)すごく喪失感があると思うし、自分が同じ立場なら、どうなってしまうんだろうと……。正直、安易に頑張れとも言えない」と複雑な心境を明かした上で「次の目標を設定して、必ず輝ける場所があると信じて、次のステップに向かってほしいとは思う」と語った。
8月に32歳となるプロ14年目。ここ数年は右肩の手術、腰痛など故障との戦いが続いた。18年に1億2800万円に達した年俸は、今季7400万円(金額はいずれも推定)まで下落している。今年1月の自主トレでは故障回避のために、大分の治療院から“新呼吸法”を教わり導入していると明かしていた。腹式呼吸を軸に、左右の肺に空気を入れる意識を持つというもので、外出自粛期間中も継続。「体のいろいろな箇所の可動域が広がっていると実感している」と手応えを口にした。
チームは現時点で早ければ6月後半と見込まれる公式戦開幕へ向け、19日に自主調整からチーム練習に切り替えたばかり。「僕は立場上、打たないと試合に出られない。今後実戦(練習試合・オープン戦)が始まれば、打撃で結果を出すことがレギュラーに近づく方法だと思う」と梶谷は気合を入れ直している。
現在、身長180センチに対し、体重はほぼベストの90キロだが、毎年シーズン中に体重が落ちてしまうことが悩み。「僕にとってはシビアな問題で、寝ている間にも体重が落ちてしまうほど。緊張して食べ物がのどを通らない試合前も、無理して食べるようにしているが、なかなか難しい。対策といえば、補食を取ったり、食事の回数を増やすしたりして、(体重が)落ちる以上に食べるしかない」と苦笑していた。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)