一時解散、受験専念、練習継続… 甲子園中止で分かれる各校の対応は?
高野連関係者の中には「どこかで全力で野球をやる場は与えてあげるべき」との声も
選手とのミーティングすらままならない学校もある。関東のある私立校では2月28日以降、今も部活動を含めた完全な登校禁止措置が継続中。一度も全員が集まれていない状況が続いており、監督も「生徒が今何を思い、何を望んでいるのか。それすらもわからない。登校禁止が開けるのが6月1日。それまでは会って話をすることすらできません」と嘆く。
一方で東西東京大会は独自開催に向け準備を進めており、西東京のある強豪校監督は「東京はまだ恵まれている方。例年通り、全力で優勝を狙いに行く。選手は気の毒だが憐れむようなことはせず、練習が再開したらあえて今まで通り、ビシバシと鍛えていくつもりです」と信念を語る。
地方大会も中止になったとはいえ、各地の高野連では独自大会を模索中。高野連関係者のなかには「正直、目標を奪われた悲しみだけでなく、やり場のない怒りを抱えている選手もいる。これだけ理不尽な仕打ちに対して、18歳にとってみればそれは至極当然の感情。フラストレーションのはけ口としても、どこかで全力で野球をやる場は与えてあげるべき」との意見もある。
全国の球児が直面しているかつてない喪失感に対し、これから何ができるのか。中止決定を受けてなお、現場の葛藤は続いている。
(Full-Count編集部)