元中日チェンがトラウト超え最高給に… 地元紙は新型コロナに恨み節「誰が予想できた?」
「チェンはチームの助けにならないと昨年11月にマーリンズは決断した」
新型コロナウイルスの感染拡大により、開幕が延期となっているメジャーリーグ。現在、MLB機構と選手会が新たな開幕プランについて話し合いを重ねており、開幕に向けた争点の1つとなっているのが新たな年俸削減案だ。当初、試合数に比例した額への削減で合意していたものの、更に減額となるプランを機構側が要請している。
ただ、この年俸削減は、現役を引退しながらも、まだ年俸支払いの期間が残っている選手や、契約途中にそのチームから解雇された選手たちは影響を受けない。そのため、契約を1年残して昨季でマーリンズから契約を解除された元中日のチェン・ウェイン投手が現役選手のメジャー最高給選手となる可能性が出ている。
2012年に中日からオリオールズに移籍したチェン。2016年にマーリンズと5年総額8000万ドル(約86億円)の大型契約を結んだが、移籍したマーリンズでは大不振に終わり、2019年オフにマーリンズを解雇となった。チェンの5年契約は初年度が1250万ドル(約13億4000万円)で年々年俸が増額していく内容で、最終年の2020年度の年俸は2200万ドル(約23億6000万円)。マーリンズはこの最終年分の年俸の支払い義務が残っており、チェンに23億円超を支払わなければならない。
この事態に地元紙「マイアミ・ヘラルド」は「運の悪さが原因となり、もしウェイン・チェンがスプリングトレーニングのロースターに残っていた場合よりも遥かに多くの金額をマーリンズは彼に支払う必要がある。契約満了まであと1年を残しながら11月にチェンと契約解除するという決断をしたことにより、マーリンズはどんな事情であれ彼に対して2200万ドル(約23億6000万円)を支払わなければならないということになった」と指摘した。
マーリンズがもしチェンとの契約解除を選択せず、ロースターに残していた場合、仮に今季が半分の82試合で行われた場合、チェンの年俸は1100万ドル(約11億8000万円)と半額で済んだ。オフに契約を解除したことでマーリンズにとってはアンラッキーな展開となった。マーリンズの今季総年俸は7870万ドル(約84億3000万円)でチェン1人で4分の1以上を占めることになるという。
ただ、記事では「しかしながら、ウェイン・チェンの先行きを検討する状況の中で、誰が世界的な新型コロナウイルスの大流行を昨年予想できたであろうか?」と現状が想定外の事態であると指摘。「チェンはチームの助けにならないと昨年11月にマーリンズは決断した。これは当然のことだ。そして彼らは、チェンをチームに残すために貴重な40人枠を使うのであれば、彼に対して支払う義務がある2200万ドルを素直に支払う方がマシだと判断した」と、球団の決断を“支持”していた。
(Full-Count編集部)