「今こそ球界は1つに」「独立Lが受け皿に」BC福島・岩村氏が球児救済に寄せる想い
愛媛・宇和島東高で目指した甲子園、今年の開催中止決定に「何ができるのか考えたい」
世界的大流行が続く新型コロナウイルスの影響により、8月10日から予定されていた第102回全国高校野球選手権大会は開催中止となった。春夏連続の中止は、長い“甲子園”の歴史を振り返っても初めての出来事。命と健康を守るため、致し方ない決断だったとは言え、入学以来、ここまで2年2か月積み重ねた練習の成果を発表する場を失った3年生の喪失感は計り知れない。
「残念、という言葉だけでは、到底済まされるものではないと思うんですよね」
そう絞り出すように言葉を発したのは、ルートインBCリーグ福島レッドホープスで球団取締役社長兼監督を務める岩村明憲氏だ。愛媛・宇和島東高で甲子園を目指した岩村氏が「Full-Count」の電話取材に応じ、子どもたちのやりきれない想いを救う大人たちの努力、そして独立リーグが果たしうる“受け皿”としての役割について語った。
◇ ◇ ◇
およそ25年前。甲子園出場を目標の1つに掲げ、岩村氏は仲間たちと汗と泥にまみれながら白球を追い続けた。高校球児にとって甲子園が特別な場所であることは、十分過ぎるほど知っている。それだけに「簡単な言葉はかけられない」と口を開いた。
「難しいですよね。高校生は『今、今、今』と野球に向き合い、一心不乱に今を生きてきたので『気持ちを切り替えて、明日からまた頑張れよ』みたいなことは絶対に言えないですよね。プロ野球選手もメジャーリーガーも、みんな元は高校球児。みんな想いは一緒だと思います。
ただ、3年生は今まで2年2か月ほどやってきた中で、監督さんをはじめ、部長、コーチ、チームメート、いろいろな人と接する中で人間社会を教えてもらっただろうし、先輩後輩という関係もあって、いろいろなことを吸収できたと思います。辛い練習を乗り越えられた、体力面がアップした、体が大きくなった、我慢することを覚えた。野球を通じて得たものはすごくあると思います。そこで得た自信はなくさないでほしいですね。これは絶対、野球も含めて、今後の人生に必ず役立つこと。僕も実際に役立ってきましたから」