42勝、29敗、541投球回…もはや更新不可能? な球史に残るシーズン最高記録【投手編】
シーズンの投球回の最多記録は林安夫氏の541回1/3
同様にシーズン敗戦記録の更新も難しいだろう。2リーグ制となってからのシーズン最多敗戦は1950年の長谷川良平氏(広島)、1952年の小林恒夫氏(松竹)、1957年の秋山登氏(大洋)が記録した27敗。1リーグ制時代では中山正嘉氏(名古屋金鯱軍)の29敗。現代ではこれだけ負けが込んでいれば、ファーム降格は間違いないだろう。
シーズンで投げるイニング数もまた、昔は今とは比べ物にならない数字となってる。現代では先発でトップとされる基準は200イニングだ。だが、NPB記録はその倍以上。1942年の林安夫氏(朝日)は541回1/3を投げ、2リーグ制となって以降では1961年の権藤博氏(中日)の429回1/3が記録となっている。もはや、この数字に届くことはなさそうだ。
また1試合での投球数では1954年に米川泰夫氏(東映)の264球が最多記録。これも更新されることは考えにくい。シーズンの完封数の最多記録は1962年の小山正明氏(阪神)の13完封、完投数は1955年の金田正一氏(国鉄)の34完投、そして1943年の藤本英雄氏(巨人)の防御率0.73という記録も更新は困難か。
シーズン最多登板は2007年の久保田智之氏(阪神)の90試合。昨季、西武の平井克典投手が81試合に投げ、これが歴代2位だった。それよりも久保田は9試合も多い。現在のプロ野球では基本的に中継ぎは過度な連投を避け、年間60から70試合登板でとどめることが多いだけに、この90登板を超えることはなかなかないか。
2017年にソフトバンクのデニス・サファテ投手がマークした54セーブ、2010年に中日の浅尾拓也氏が記録した47ホールドが、クローザー、セットアッパーとしてのそれぞれのシーズン最多記録だ。この2つも偉大な記録ではあるが、先に出てきた記録よりも更新する選手が現れる可能性は高そうか。
(Full-Count編集部)