日ハムの好青年・谷内亮太 “シンプル思考”で挑む2年目「これぐらいの考えでいい」
契約更改を終えた昨オフに語った言葉「いい意味でシンプルに考えている選手が多い」
プロ野球開幕を心待ちにしながら日本ハムの取材ノートを整理していたら、思い出深い言葉を再発見した。「F取材ノート~心に残ったあの言葉」として改めて紹介したい。今回は、ヤクルトから日本ハムに移籍して2年目を迎える谷内亮太内野手。
「いい意味でシンプルに考えている選手が多いなと思いました」
現状維持で契約更改を終えた昨オフ、日本ハムの若手選手についての印象について語った。同じプロ野球といえ、球団によって雰囲気はかなり違うのだろう。「若い選手が多く、勢いのあるチームだと思います。その中で今まで僕がやってきて気づかなかった考え方を聞いて、感じるところがあり、自分の成長にもつながっていると思います」と話し、冒頭の言葉を続けた。
6年間在籍したヤクルト時代には思いつかなかった発想から刺激を受けたという。「どうしても自分の中で考え過ぎてしまうというか、のめりこんでしまうところがあるので。これぐらいの考えでいいんだなというのは、自分の中ですごく勉強になりました」。
谷内は報道陣の質問にもその意図を考えながら丁寧かつ具体的に答えてくれる好青年。その真面目さゆえに、移籍当初は新しい環境に戸惑ったようだ。「人間関係を一から作り直すということで、今は仲良くさせてもらってますし、いい雰囲気でやらせてもらっていますが、最初は気を遣っていた部分があったので。入りとしては少し大変だったのかなと今は思います」と“転校生”の気苦労を明かした。
昨季は開幕を1軍で迎えたものの「結果が出なくて焦って、自分のペースをつかめないまま進んでいってしまった」と1軍24試合、イースタン・リーグ56試合と2軍暮らしの方が長かった。その経験を無駄にはしない。「チームの雰囲気には慣れたと思います。1軍に行ったり、2軍に行ったり、いろんな人と触れ合って、関係性というのも最低限は築けたというか分かった部分があるので。来年のプレーのしやすさというのは全然違うんじゃないかなと思います」と前向きに語っていた。
会見の最後で見せた明るい表情が暗示していたように、今春のオープン戦は9試合に出場して14打数7安打2打点と絶好調だった。開幕は延期となっているが、シンプル思考で日本ハムに適応した今季、内野のユーティリティプレーヤーとして本領を発揮してくれそうだ。
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)