西武・松坂「感覚を思い出す作業がメイン」77日ぶり実戦で古巣相手に1回無失点
最速136キロもボール動かして点与えず、降板後にもブルペンへ
西武・松坂大輔投手が7日、メットライフドームで行われた練習試合の6回に3番手投手として登坂し、1回無安打1四球無失点という内容だった。3月22日の日本ハムとの練習試合に先発して以来、77日ぶりの実戦登板だったが、上々の再スタートとなった。
3番手でマウンドに上がると、先頭の高橋にストレートの四球を与えたものの、続くアルモンテは右飛に。井領も右飛に仕留めると、最後は堂上を二直に抑えた。最速は136キロながら、ボールを動かして安打も許さなかった。「今日は試合勘を取り戻し、バッターと対戦することで感覚を思い出す作業がメインでした。やりたいことが全部できたわけではないですが、これから投球回を増やしていく中で色々な感覚を取り戻していきたいです」とコメントした。
「打者に投げること自体、3月以来でしたけど、先頭にフォアボールを出してしまったことが反省点ですね」と言う通り、高橋をストレートの四球で歩かせた他、捕手の森の構えと違う所にボールが行くシーンも目立った。それでもカットボール、ツーシームなどで相手打者のバットの芯を微妙に外し、「少しずつ打者のタイミングや芯を外すようなピッチングをして行きたいと思います」とうなずいた。
1イニングを15球で終えると、降板後には、ブルペンで追加の投球練習も。「ゲームの中ではフォーシームを投げていなかったので、フォーシーム中心に投げたいと思ったからです。特に球数は気にしていませんが、30球にいかないくらい投げました」と説明した。
コロナ禍を経てプロ野球の開幕は今月19日に決まり、松坂はローテ入りを目指す。「自主練習期間中はキャッチボールをしたり、毎日ボールは投げていました」と明かした上で「開幕日が決まったことはうれしいですが、甲子園の中止が決まった直後の決定だったので、複雑な思いもあります」と付け加えた。横浜高校3年の時、甲子園春夏連覇が怪物伝説の始まりだった。そんな甲子園へのチャレンジの場さえ奪われてしまった高校球児への思いは、頭から離れることはない。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)