助っ人を変化球攻め、牧田の幻惑配球…楽天が開幕へ向け開始した西武への“駆け引き”
凱旋登板となった牧田は1回無失点もしっかりと探りを入れている様子
8回に5番手で登場した牧田にとって、相手の西武打線は3年前までの同僚で熟知した顔ぶれ。しかし、「僕がアメリカに行っていた2年間に連覇しているし、すごい打線。緊張感がありました」と語った通り、山川が牧田がいなかった2年間に連続本塁打王に輝くなど、それぞれレベルアップしている。
1死走者なしで山川を迎えると、初球に106キロの真ん中低めのカーブでストライクを取ったが、外角低めスライダー、内角低めストレート、外角低めストレートと球種もコースも投げ分け、いずれもわずかに外れ3ボール。そこからカーブとストレートでファウルを打たせ、最後は内角低めのシュートが外れて、結局7球を要して四球を与えた。探りを入れながら、試すような投球だった。1回無安打1四球1死球無失点で終えたが、35歳の牧田の目はあくまで開幕後を見据えているのだろう。
新型コロナウイルス感染対策の異例日程で、今季公式戦の西武と楽天の初対戦は、7月14日の楽天生命パークまで待たなければならないが、そこから同じ球場で6連戦が組まれている。
無観客の練習試合にも、各球団のプロスカウトらがネット裏に姿を見せ始めており、今後は先乗りスコアラーらによる偵察・分析が本格化するはず。いよいよ公式戦へ向けて熱を帯びてきた。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)