レッドソックスが本拠地ファンによる人種差別に声明 「それは現実に起こっている」
元メジャーリーガーのトリー・ハンター氏がフェンウェイ・パークで受けた人種差別を告発
米国で過熱する人種差別への抗議運動。そんななか、レッドソックスは本拠地フェンウェイ・パークでのファンによる人種差別発言に対して声明を発表した。米TV局「ESPN」が報じている。
発端はESPNのラジオ番組「Golic and Wingo」での、元メジャーリーガーのトリー・ハンター氏の発言。フェンウェイ・パークのファンから人種差別的な中傷を受けたため、契約にレッドソックスに対して「トレード拒否権」を盛り込んでいたというものだ。「ボストンでは、僕はNワード(黒人を指す蔑称)で100回くらい呼ばれた」、「だから、僕の全ての契約には、ボストンに対してのトレード拒否権が含まれていた」とハンター氏。別のラジオ局「WEEI」の番組「The Greg Hill Show」では「ボストンで人種差別用語で侮辱されたことは、他の街と比べて遥かに多かった」とも付け加えている。
レッドソックスはこのハンター氏の発言を受け、声明を発表。「トリー・ハンターの経験は、現実です。もし、あなたが、それを聞いたことがないからという理由で疑うなら、我々の言うことを信じてください、それは(現実に)起こっているのです」と事実関係を認め、「このことに対して、声を上げてくれたすべての人々に感謝しています。そして、正義を求めている多くの声を、我々のプラットフォームを使って、拡大させていくことに引き続き尽力していきます。我々の球場で人種差別的な発言で中傷したり、ヘイトスピーチを行うファンに対して、我々は、確実に対処していきます。真の変化は内から始まります。どのようにしたらもっと改善できるかを模索している中、どうか我々がこれらの発言に耳を傾けているということを知っていてください」とファンに訴えかけた。
今季からオリックスでプレーするアダム・ジョーンズも2017年にフェンウェイ・パークで人種差別を受けており、この声明にツイッター上で反応。ハンター氏の勇気ある告発に、人種差別撤廃の機運はさらなる高まりをみせている。
(Full-Count編集部)