元中日の栃木・若松駿太がNPB復帰へ背水の覚悟「今年が最後の気持ち」
昨季は栃木で13勝、防御率2.53、トライアウトも受験したがNPBからのオファーはなし
ルートインBCリーグの栃木でプレーする元中日の若松駿太投手が14日、NPB復帰に向けて背水の覚悟を示した。14日、栃木県営野球場で行われた全足利との練習試合に6回から3番手で登板。3者凡退に封じると、試合後に「今年が(NPB復帰)最後の気持ちでやっている」と語った。
この日は6回からマウンドに上がると、わずか9球で打者3人を片付けた。1つの三振を奪い、貫禄を見せた。NPB復帰を目指し栃木でプレーを続ける若松駿。「BCリーグは開幕しますが、高校生や大学生は試合をやれてない。なおさらチャンス。大変だけど、みんな一緒。今年が(NPBに復帰する)最後の気持ちでやっている」と決意を語った。
政府が発出した非常事態宣言を受けて、4月17日以降、チームは活動を休止した。6月6日から練習試合を再開し、若松駿も2か月半ぶりの実戦だった。中日時代の2015年に10勝したものの、その後は低迷し、2018年に戦力外通告。それでも、NPB復帰を目指して、昨季BCリーグでのプレーを選択した。
「前半は探り、探りだったが(後半はいいストレートの)確率もあがってきた」と栃木での1年目には13勝をマーク。防御率も2.53と好成績を残し、昨年11月には2度目となるNPBの12球団合同トライアウトも受験した。結局、NPBから声はかからなかったが、今年もBCリーグでプレーすることを決めた。
「ロッテに入った佐々木君もそうですが、ストレートが速いピッチャーが目立つようになってきた。より一層、速い真っすぐを求めて、オフの間やってきた」と若松駿。中日時代の最速は144キロだが、それを超えるストレートでのアピールを目指す。元巨人で栃木の寺内崇幸監督も「(10勝した当時の)球威を戻すことだろうが、短い期間でNPBに通用するところを見せられるか。これからが勝負」と復活を願っていた。
(細野能功 / Yoshinori Hosono)