トレード移籍組は勝負の時! ロッテ石崎、オリW松井ら昨季パに移籍した選手の現在地

中日からオリックスに移籍したW松井とモヤ

 石崎剛投手は昨年7月、高野圭佑投手との交換トレードで阪神からロッテに移籍。2014年、ドラフト2位で阪神に入団。サイドスローの中継ぎとして、速球で打者をねじ伏せる投球スタイルが特徴だ。2017年は26試合に登板し、防御率1.17で侍ジャパン選出の経験もあるが、2018年に受けた右肘手術の影響もあって戦線から離れた時期もあった。しかし2019シーズン、ウエスタン・リーグでは18試合に登板し、防御率1.10と好成績を残し、ロッテに移籍。しかし移籍後、1軍で2試合登板するも、両試合ともに失点。イースタン・リーグでも21試合に登板するも、防御率が5点台と振るわなかった。2020シーズンは、持ち味であるストレートにさらなる磨きをかけ、6月の練習試合でも好リリーフ。勝利の方程式入りが期待される。

 松井雅人捕手と松井佑介外野手は昨年7月、松葉貴大投手・武田健吾外野手と交換トレードで中日からオリックスに移籍。

 松井雅は2009年、ドラフト7位で中日に入団。2018年にはチーム最多の92試合でマスクを被るなど経験豊富な選手だ。2019年6月、伏見寅威選手が左アキレス腱を断裂し、即戦力の捕手が必要とされ、実戦経験が豊富な松井雅が加入した。そんな、松井雅はオリックスと不思議な縁がある。2017年6月9日、オリックス対中日の一戦、マレーロが放った大飛球は記念すべきNPB通算10万号になる“はず”だった。しかし、本塁を踏み忘れる痛恨のミス。これを見逃さなかった捕手こそ、松井雅だったのだ。移籍後には、オリックスの公式インスタグラムにおいて、松井雅とマレーロが肩を組み、一緒にホームベースを持つ仲睦まじい写真が公開され、話題となった。今月の練習試合では強肩のアピールはもちろん、打撃では本塁打のみならず、絶妙なバントヒットまで成功させている。

 松井佑は、2009年、ドラフト4位で中日に入団。快足と強肩に期待され、1軍出場のチャンスは数多くあったものの、度重なる故障や不振などでなかなか1軍に定着できず。しかし2017年、代打で結果を残すと、そこからスタメンでの出場機会が増加。56試合4本塁打、18打点でキャリアハイをマークするが、2018年はわずか17試合3安打にとどまり、2軍暮らしが長く続いた。そして、2019年7月にオリックスに移籍。移籍後は7試合で1本塁打を含む6安打の好成績を残したが、右もも裏を痛めて登録抹消。シーズン中、1軍に復帰することはできなかった。プロ11年目となる2020シーズン、開幕直前の練習試合では途中出場でタイムリーを放った。右の代打で開幕1軍なるだろうか。

 モヤは金銭トレードで、松井雅・松井佑と同タイミングで中日からオリックスに移籍。201センチの長身で、鋭い打球を飛ばすパワーヒッターだ。なぜ中日はモヤのような大砲を放出したのだろう、と疑問に思ったファンも多いだろう。NPBのルールで、外国人選手の1軍登録は4人までとされているため、中日ではモヤを常時1軍に置くことが難しかった。移籍後は、64試合に出場、打率.244、10本塁打35打点をマークし、チームに大きく貢献。今季はジョーンズ、ロドリゲスといった個性的な外国人選手たちとしのぎを削る。

 ここまで紹介した9選手が、楽天・藤田一也内野手や日本ハム・大田泰示外野手などのように、トレードを機に花を咲かせ、レギュラー定着、そしてチームの中心選手になることに期待しよう。

(「パ・リーグ インサイト」後藤万結子)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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