プロ野球“オンライン応援”は「もっと楽しくなりそうだ」 イベント潜入で見えた課題

野球解説者の岩本勉氏、建山義紀氏はオンライン上でファンと積極的に交流した

 イベントを仕切る岩本氏と建山氏は、テレビやラジオで解説する時よりもリラックスしているように見えた。岩本氏は時折、日本ハムの主力ウインナー「シャウエッセン」を頬張りながら、元阪神の川藤幸三氏のモノマネを披露するなどノリノリ。建山氏が「チャットで『2人の話で試合に集中できない』って書かれていますよ」と苦笑いするほどだった。

 2人はオンライン上のファンとも積極的に交流した。「メットライフドームの人がいた!」など凝った背景の人や気になる人を見つけては、その人と直接話をして、生の声を拾っていった。「これはハマる。つながるのは楽しい」と声をそろえた2人。1人が技術的な解説をしている間、もう1人が面白そうなファン探しをするなど役割分担も息ぴったりだった。チャット機能を利用して、質問に答えたり、「シャウエッセン」が当たる抽選会も行われた。

 1つ気になったのは視聴する中継のこと。この日は北海道ローカルの地上波中継があったので問題なかったが、インターネット中継で見る場合はタイムラグが生じる。目の前で見ているインターネット中継よりも先に「Zoom」で応援が始まったり、結果が分かってしまう場合、どんな楽しみ方ができるだろうか。とはいえ、初めての試みに課題が出るのは当たり前。やっていくうちにより良いアイデアが出て、進化していくだろう。新しい応援スタイルの可能性を大いに感じるイベントだった。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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