元燕フェルナンデスがBCリーグ開幕戦に登板 通訳経験も…「もう一度選手に」
2008年育成1位でヤクルト入団、退団後は日本ハムで通訳の仕事も務めた
WBCブラジル代表で、今季から茨城アストロプラネッツでプレーする元ヤクルトのラファエル・フェルナンデス投手が20日、熊谷さくら運動公園野球場で行われた埼玉武蔵との開幕戦で初登板。5-5の8回に3番手でマウンドに上がると、先頭横田を歩かせるも140キロ台前半の速球と変化球で9番の山田を遊ゴロ併殺打に仕留め、1回を無安打無失点1四球に抑えた。チームメートの怪我で18日に急遽、練習生契約から選手契約に昇格。いきなりの開幕戦デビューを上々の結果で飾った。
フェルナンデスは2008年、育成ドラフト1位で白鴎大からヤクルトに入団。2011年に1軍デビューすると、2012年7月1日の阪神戦でリリーフとしてプロ初勝利をあげた。2013年の戦力外通告後は一時母国に帰国したが、2015年には独立リーグの四国IL愛媛マンダリンパイレーツでもプレーした。
2017年のシーズン途中から白鴎大時代の恩師、栗山監督のツテで日本ハムの球団職員に採用され、スペイン語の通訳などをつとめたが「もう一度選手に戻りたいという思いで、練習は継続していた。目に留めてもらうには、どこかで野球をやらないといけない」と今年3月に日本ハムを退団。
第5回WBC予選のブラジル代表として、米国アリゾナ州で戦う準備を進めていたが「(新型コロナウイルス感染拡大の影響で)キャンセルになり、自宅は日本なので帰るしかなかった。そんな中で、アストロプラネッツからの誘いがあった」とBCリーグでプレーに至った経緯を語る。
夫人はひたちなか市出身の日本人で、自宅も同市にある。「こういう試合は久しぶりで、緊張して、特に先頭打者には落ち着いて投げられなかった」とさすがに平常心ではいられなかったようだが「若い力には負けないというところを見せていきたい。チームの勝利に貢献して、その先にはNPBがある」と不屈の闘志を燃やす34歳。茨城の坂監督も「アップから選手を引っ張っていってくれる。若い選手がフェルナンデスの背中から何を学びとるかです」とフェルナンデス効果を期待している。
(細野能功 / Yoshinori Hosono)