シーズンの行方を左右する? 故障から復活を目指すパ・リーグ球団の主力たち

ソフトバンクは東浜が手術を乗り越えて開幕投手を務めた

○オリックス
 榊原翼投手は2019年に13試合に登板して防御率2.72という質の高い投球を見せていたが、6月末に負ったケガでほぼ残りのシーズンを棒に振る事態に。同じく脇腹を痛め離脱した山本由伸投手と共にブレークの兆しを見せていただけに、まさに無念の離脱となった。逆に言えば、最優秀防御率を獲得した山本、最高勝率に輝いた山岡泰輔投手を軸とする先発ローテに21歳の若武者が加われば、投手王国形成に向けた大きな一歩となりうる。

 野手では大城滉二内野手が開幕から打撃好調で、3番打者を務める機会も増えるなど、正遊撃手として活躍を見せていた。だが、7月末の故障で、残りのシーズンを丸々棒に振る結果に。俊足とシュアな打撃に加え、内外野をこなせるユーティリティ性も兼ね備えた大城がチームにもたらす価値は数字以上のものがあるだけに、その離脱は痛かった。今季の開幕3連戦は二塁手としてスタメン。深く広く守る守備位置に注目が集まっている。今季こそは怪我なくシーズンを戦い抜き、自身初の規定打席到達を果たしてほしいところだ。

○ソフトバンク
 東浜巨投手は2017年に最多勝に輝いたが、2018年は7勝、2019年は2勝と、2年続けて故障の影響で勝ち星が伸ばせなかった。だが、故障の癒えた今季は開幕投手としてカムバック。5回を2安打5三振2四球無失点とロッテ打線を抑え、完全復活を印象付けた。また、2年連続で2桁勝利を記録していたリック・バンデンハーク投手、2018年に13勝を挙げた石川柊太投手も昨季はシーズンの大半を棒に振っており、故障者の復帰による上積みは大きそうだ。

 野手でもリーグを代表する強打者である柳田悠岐外野手をはじめ、2018年に歴代4位タイの14本の三塁打を記録した上林誠知外野手、不動の遊撃手として長年活躍を続けている今宮健太内野手、攻守に堅実な働きでチームに貢献し続けてきた中村晃外野手といった、主力中の主力と呼べる選手たちが故障等の影響で昨季は長期離脱を経験した。2020年はどれだけ故障者を出さずに戦い抜けるかが、チーム全体の成績を大きく左右することは間違いなさそうだ。

 こうしてみると、当然ではあるが、主力選手の故障は本人のみならず、チームの戦いぶりにも影響を及ぼすケースが多くなっていた。チーム全体の成績と故障者の数は、切っても切り離せない関係にある。それだけに、2020年は各選手がどれだけ健康を保つことができるかという点も、各球団のシーズンの成否を分ける重要なファクターとなってきそうだ。

 ファンにとっては、好きな球団の主力選手が長期離脱を強いられると往々にして心も沈んでしまうもの。今回取り上げた選手たちが今季は故障とは無縁のシーズンを送り、多くのファンを喜ばせるような見事なプレーを、年間を通して披露してくれることを願いたいところだ。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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