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両親は看護師 同じ道目指す土気主将の最後の夏「それでも今は野球がすべて」

第102回全国高校野球選手権大会の中止が決まり、約1か月。代替大会、引退試合、上の舞台、将来の夢……。球児たちも気持ちを切り替え、新たな目標に向かってそれぞれのスタートを切っている。新型コロナウイルスは彼らから何を奪い、何を与えたのか。Full-Countでは連載企画「#このままじゃ終われない」で球児一人ひとりの今を伝えていく。

衝撃を受けた患者とのふれあい、将来への強い思いも「今は野球が最優先」

「どれだけ大変な仕事か伝えたかったんだと思います。実際、初めて患者さんを見たときはすごい衝撃を受けた。自分が自分の足で歩いて、手を使って食事をとって、普通に話をしていることが当たり前のことじゃないんだと強く感じました。同時に、そんな方たちに常に気を配って、お世話をしている父がすごいなとも。生まれて数か月、ずっと呼吸器をつけていないと生きていけない子もいて、少しでもこういう子が長生きできるよう、サポートできる人間になりたいとあらためて思いました」

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 職場での父の姿を見て、むしろ強まった将来への意思。今は日々、医療従事者の現状を知り、ますますその思いが強まっている。

「医療にかかわる方々が大変な思いで働いているのは、人手が足りていないことが一番の原因。なりたいという気持ちが、絶対にならなくちゃいけないという思いに変わりました」

 18歳とは思えぬほどに将来への強い決意を語る渡邊だが、最後の夏へ懸ける思いはそれ以上。ほどなく受験も控えるが、今は何よりも野球が最優先の日々を送る。

「本当は受験勉強もかなり頑張らないと志望校には届かないくらい。でも、ここで辞めたら何も残らない。これまで野球をやってきたことを中途半端で終わらせたくないんです。まずは勝ちたい。そこできちんと区切りをつけて完全燃焼してから、夢に向かっての勉強を頑張りたい」

 決して強豪とはいえない、ごく普通の公立校の一部員が、最後の夏へかける並々ならぬ思い。コロナ禍のさなかで日増しに高まる“大志”よりも、今は目の前の一球に心血を注ぐ。

(佐藤佑輔 / Yusuke Sato)

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