23歳で他界した親友と迎える7月4日… 中日・京田が開幕戦ではめたグラブと約束

「僕にできることがあるとすれば、諒の分まで、明日を一生懸命に生きていくこと」

「いける。はめた瞬間、すぐに思いました。絶対に大丈夫だって」

 4時間49分におよぶ雨中の乱打戦は、延長10回の末に勝利で終えた。二遊間は組めなくても、一緒にショートを守った。「今年は、諒と一緒に戦いたい」。打席に入る際の登場曲も、中井さんが好きだった湘南乃風の「親友よ」を選んだ。

 開幕戦の翌日、1通のメッセージが届いた。送り主は中井さんの母。感謝の言葉とともに、こんな言葉が添えられていた。

「諒が保育園の卒園式の時も、大事な試合の時も、亡くなった時も、大嵐のような天気でした」

 開幕戦の神宮も、いつまでも雨が降り続いていた。土砂降りにならずに何とか持ちこたえたのは、中井さんの計らいだったのだろうか。分厚い雲に覆われた夜空を見上げ、京田は誓う。

「もう諒には、明日という日はやってこない。僕にできることがあるとすれば、諒の分まで、明日を一生懸命に生きていくことです」

 7月4日。24歳を迎えることができなかった中井さんの誕生日だ。亡き友が立った東京ドームでの巨人戦。きょうも京田は、亡き友と遊撃に立っている。

【写真】中日・京田と中井さんの絆 開幕戦から使用する実際のグラブの写真

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