「今は勝つことが何よりもの良薬」 オリ今季初の逆転勝ちを元監督・森脇氏が分析
「配球云々あるがゲームの中で一番多くのミスがでるのはコントロールミスと打ち損じである」
大城は第1打席で外角を攻められながら遊ゴロ、4回の第2打席は3球三振。やや引っ張りの傾向が目立ち打席の中での準備に問題があったが、6回の第3打席で外角直球を右翼へ運ぶ二塁打。そして8回はカウントを生かし1点差に詰める価値ある適時打を放った。1点差になったことで一発だけでなくアベレージヒッターでもある吉田の存在がより大きくなった。
「現状を見れば脇のバッターたちも泥臭く、3番以降の打者に回すことが明白。吉田正は先ずは内目の甘めと条件を付け準備していただろう。配球云々あるがゲームの中で一番多くのミスがでるのはコントロールミスと打ち損じである。勝負心に満ちた見事なホームランだった。まさに準備勝ちと言えるだろう」
僅差のゲームをことごとく落としてきたオリックスだがこの日は田嶋が7回まで投げ抜き3失点の粘投を見せ、8回ヒギンス、そして9回は不安定だったディクソンがピンチを背負いながらも無失点で今季初セーブをマーク。勝ちパターンで得た勝利はチーム、そして守護神として任命されたディクソンにも大きなものを意味する。走者を背負うと変化球時に腕の振りが弱くなっているディクソンにも本来の姿に戻ると分析する。
「ディクソンが抑えて勝ったことも大きいが今は勝つことが何よりもの良薬。田嶋は3点を取られたが7回まで投げ抜いたことに大きな意味があった。抑えのディクソンまでつなぐ勝ちパターンはまだはっきりと見えてこないが、先発がしっかりすることで“その部分”が作られてくる」
たかが1勝、たかが1敗……。ここまで3勝10敗1分けと最下位に沈むオリックスだが、この1勝が今後のチームの流れを作るはずだ。