ようやく迎える“売り子”たちの開幕 4年目サキさんが抱く思い「お客様に会いたいです」

「とにかく野球を楽しんでもらいたい思いが強いです」

 サキさんが売り子を始めたのは大学1年生のとき。鹿児島出身の彼女は他のバイトが見つかるまでの“繋ぎ”のつもりで売り子に応募した。「求人に短期でできると書いていたので、2、3日だけやって、その間に別のバイトを探そうと思って面接に来たんです。売り子と言うものをあまり知らず、やるとしても半年くらいで辞めるつもりでした」。ところが、それが大学の4年間続くことになる。

「2、3日だけと決めて入ったんですけど、(指導役の)チェッカーさんにめちゃくちゃ褒められて、それに乗せられてしまいました。お客様にも、その間に元気だねと褒めていただけることがあって、凄い楽しいなと感じました」。売り子初日で40杯超を売り上げると、4日目にはハードルの高い100杯超まで売り上げた。売り子としての“センス”を発揮し、今ではPayPayドームで働くアサヒビールの売り子の中でもトップ売り子の1人になった。

 自粛期間中は幸いにも別のバイトで稼ぎ、生活はできていたというサキさん。それでも、「売り子の友達とも会えなくなっていて、そこで遊ぶことも多かったので寂しかったです。お客様たちにも会えずに、どうしているかなと思っていました」と寂しさは募った。売り子として働くにあたって1番の楽しみは「お客様たちに会えることですね」という。

「野球がずっとなかったので、とにかく野球を楽しんでもらいたい思いが強いです。家で見るのとドームで見るのは全然違うと思うので、売り子どうこうではなく、まずは野球を楽しんでほしいです」というサキさん。まだ本来の形で売り子としての活動ができるわけではない。それでも、スタジアムに戻って来られる、お客様に会えることが売り子たちには喜びになる。

【写真集】「お客様に会いたい」気持ちで今年もドームに立つ アサヒビール4年目の「サキ」さん

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