首位・楽天は「負けても強い」 投打で充実の選手層も専門家が指摘する唯一の懸念は
打線も大型補強が奏功、唯一弱点になりうる可能性が残るのは先発陣
打線も8回に登板したセットアッパーのリバン・モイネロ投手に対して連打を浴びせ、2死満塁のチャンスを作った。「勝ちパターンが出てきたら『はい終わりです』っていう打線じゃなくなっている。最後まで何があるかわからないというファイティングポーズがとれる」と野口氏。銀次内野手に代わって一塁でスタメン出場した内田靖人内野手が3ランを打つなど、選手層の厚みもある。
オフに大型の戦力補強に踏み切った楽天。その新加入のメンバーたちが期待通りの力を発揮しているだけでなく、「いい融合をしている」と野口氏は見る。浅村栄斗、鈴木大地両内野手の「FA組」、ジャバリ・ブラッシュ、ステフェン・ロメロ両外野手の「助っ人組」、そして茂木栄五郎内野手、島内宏明外野手の「生え抜き組」が混ざり合い、強力な打線を形成している。
攻守で目立った死角が見つからない状況で、野口氏が「唯一、弱点になる可能性がある」と指摘するのは先発陣。現状では枚数が揃っている状況だが、過密日程でローテに無理が生じてくる時期はやってくる。加えて不調や故障など、予期せぬ不測の事態もある。「誰か1人がかけた時に出てくる7番手、8番手があまり見当たらない印象があります」。先発に再転向した松井裕樹投手もこの日の2軍戦で4回8失点と、メドが立っている状況とは言い難い。夏場に向けて選手たちの疲れも溜まってくるだけに、チームの真価が問われる時期が来るかもしれない。
(小西亮 / Ryo Konishi)