レッズ秋山に弟子入りしたBC栃木20歳野手 授かった教えと「来年は来るな」の意味

秋山から貰ったお墨付き「そのスイングで大丈夫」

 約2週間の貴重な時間。ずっとテレビで見てきた日本球界屈指のヒットメーカーからの助言は、忘れられない金言になった。これまで外角の球に対して苦手意識を持っていたが、秋山から「そのスイングで全然大丈夫」とのお墨付きをもらった。「これでいいんだって自信になりました」と素直にうれしかった。

 それから半年が経ち、迎えた6月21日のシーズン開幕。埼玉武蔵ヒートベアーズ戦(栃木県営球場)に「7番・一塁」で初めて開幕スタメンに名を連ねた。6回の第2打席でどん詰まりながらも中前打を記録。「どんな形でも1本出たのは良かったです」と汗を拭った。

 178センチ、98キロの大柄な体格で、期待されるのは放物線。オリックスのT-岡田外野手の打撃をイメージし「最低でも今シーズンは2桁ホームランを打ちたい」とノルマを設定する。まだ年齢的には大学3年生の世代だが「自分の中では焦りを持って取り組んでいます」と表情を引き締める。自主トレの終わりに、秋山からふと言われたことをいつも思い出す。

「来年は来るなよ」

 自主トレは、ちょうど各NPB球団の新人合同自主トレの時期と重なる。「今年こそ、ドラフト指名されるようにアピールしていかなければいけません」。秋山塾の最短卒業こそが、一番の恩返しになる。

(小西亮 / Ryo Konishi)

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