パ・リーグの両チーム合計最多得点は? 今も破られない70年前の記録が凄い

現代のプロ野球につながる第一歩も

 さらに、試合に関する記事以外にも注目すべき部分はある。例えば、パ・リーグの後楽園球場での試合開催について。紙面右上の記事では、この開催の意図を「“サービス第一”をモットーに『自由定員制』を徹底、ファンの皆様に野球をエンジョイしてもらいたい」と説明している。井上さんによれば、「自由定員制」とはおそらく自由席のことであり、当時も内外野で座席を分け、バックネット裏には特別席を設けた上で案内係を配置するなどといったサービスも行われていたようだ。実際に、当時のポスターには、特別席、内野席、外野席の3種類の料金が記載されているとのことである。戦前から特別席の「指定席」はあったが、「自由席」を増やすことで、ファンに好みの席で見てもらいたいとの考えのようだ。

 我々の想像をはるかに超える違いがあった一方で、こうした違いはプロ野球、そしてパ・リーグが70年間の歩みの中で大きな変化を経験した一つの証拠でもあるはずだ。大きな変化を求められている今だからこそ、過去の紙面へ目を通してもらいたい。

 第4回でも、同じく1950年の特徴的な試合をピックアップしていく予定だ。

紙面提供・日刊スポーツ
取材協力・野球殿堂博物館

【画像】両チーム合わせ35得点のなった1950年3月16日・西鉄-東急の結果を伝えた日刊スポーツの実際の紙面

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