チームの代打打率1割台も… DeNAラミレス監督が勝負の一手、乙坂を起用したワケ
試合を決定付けた6回、代打・乙坂の3ラン「結果的に乙坂を使うには、一番いいタイミングだった」
4回に2点を奪われて1点差となった6回には、1死一、二塁の場面で「スタミナ的にはもう1イニングいける感じだった」という今永に替えて、乙坂を代打に起用。広島を突き放す3ランと、見事に選手起用が当たった。乙坂の「得点圏だったので、ファーストストライクは変化球で来るイメージを持っていた」という言葉通り、2球目のツーシームをライトスタンドまで運んだ。ラミレス監督は「得点圏に走者がいなければ、今永を打席に立たせてもう1イニングいかせるつもりだった。結果的に乙坂を使うには、一番いいタイミングだったと思う」と自らの采配の的中を喜んだ。
今季のDeNAの代打成績は、前日まで63打席で打率.154、得点圏では.000と不振が続いていた。それでも乙坂は「結果は出ていなかったが、今年はレギュラーも控えも、みんなしっかり準備をして試合に入ることができていると思う」と胸を張る。指揮官も「シーズン序盤から(代打は)ずっと結果が残せていなかったが、全体的によくなっている感じがあった。たとえ結果が出なくても、いい形、いい内容の打撃も多かった。乙坂は最近、バッティング練習でもいい状態だったので、いい結果が出て嬉しい。今はいい流れなのかな、と思う」と、代打陣の復調を予感していた。
ラミレス監督が、日頃から常に口にする「流れ」という言葉。「野球は流れのスポーツ。連敗の後には、必ず連勝が来るもの」という言葉が、いよいよ現実味を増してきた。
(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)