NPB復帰を目指す元阪神・歳内宏明の今 四国ILでは「断トツの成績でインパクトを」
6月20日の開幕戦では3安打11奪三振の快投で完封勝利を挙げる
――新型コロナウイルスの感染拡大で開幕が遅れた
「2月にチームと合流したのですが、2か月たたないうちにコロナで、活動停止になりました。自粛中は、基本的に自宅にいて大人数では集まらないように気を付けながら、河川敷でキャッチボールをしたり、トレーニングルームでウエートトレーニングをしたりしていました。その時も選手同士でなるべく近寄らないように、ぎりぎりのところでやっていました」
――6月20日の開幕戦では、徳島インディゴソックスを相手に9回3安打11奪三振1四球で完封勝利
「阪神時代は中継ぎで、完封勝利は高校時代以来のことでした。プロ入りしてからは初めてでしたので、投げている間は不安はありましたが完封できました。紅白戦や練習試合でも長いイニングを投げていたので、準備はできていたとは思います。調子がめちゃくちゃよかったわけではありませんし、かといって悪かったわけでもない。相手が独立リーグだったから抑えることができたという部分はあったと思います。ただ変化球は、割といい感じで投げることができました」
「NPB復帰を目標にしていますが、最初から意識しまくったからといって帰れるものでもありません。シーズンに入ったら、次の試合を最大限の力で頑張ることしかありません。その中で、よりレベルの高い投球をするように考えています。シーズンのその先まで考えることはないですね。僕がNPBに復帰したいと思っても、NPB球団のチーム状況が影響してきます。どこのチームが声をかけてくれるかもわかりませんが、声をかけてくれたときにやれることをしっかりやっていないと、スカウトに見てもらえなかったりします。今できる最大限の努力をしよう、とずっと考えてきました」
――好成績を残すことがNPB復帰の一番の近道に?
「松中総監督からも“結果を出すしかない”といわれています。リーグでは断トツの成績でインパクトを与えたいと思います。それでも復帰できるかどうかはわからないですから、簡単ではないですね。数字的には防御率0点台、三振を誰よりもとって、安打、四球も誰よりも少なくて、それくらいで何とかなるかどうかと思います。味方のエラーもあるし、打線が打てないこともあるので、勝ちにはこだわりません。そういう成績をあげ続けて、そのうえでスカウトに見てもらいたいですね」
7月24日時点で4試合に登板し、2勝0敗、リーグ最多の33イニングを投げて16被安打、奪三振も最多の36個、4与四球、自責点3、防御率0.61。現時点では、有言実行のリーグトップクラスの成績をあげている。再び歳内はNPBの舞台に戻ってくることができるのか、今後の活躍にも注目だ。
(広尾晃 / Koh Hiroo)