パで増加傾向の一流の証“3割打者” 西武森、オリ吉田正ら巧打者はどこが凄い?

打者としての成熟度の高さを示した、6人の好打者たち

 全体の傾向としては、高打率だけでなく高い出塁率を同時に記録していた選手が多いのが特徴だ。2019年のパ・リーグにおいては冷静にボールを見極めつつ、好球必打でしっかりと高打率も同時に残すといった、打者としての完成度が高い選手が多かったと言える。セイバーメトリクスの普及に伴って以前よりも出塁率が注目されつつある中で、このような傾向がより顕著になりつつあるのは興味深い点なのではないだろうか。

 年齢の分布としては、20代と30代がそれぞれ3名ずつときれいに分かれる結果となった。まだ20代中盤の森、吉田正、近藤の3名は、これから選手としての全盛期を迎える年齢ということもあり、今後のさらなる成長も期待されるところだろう。

 また、抜群の実績を引っ提げて32歳で米球界に挑戦した秋山、同じく31歳で4年ぶりに打率3割を記録した銀次、34歳にしてキャリアハイのシーズンを送った荻野の3名も、今後さらなる躍進を見せてくれる可能性は大いにあるはず。6選手の打席での成熟度の高さは既に示した通りであり、今後も同様の傾向が示されるかは見ものだ。

 世の中に一人として同じ人間はいないように、プロ野球選手一人一人にも、それぞれ全く異なる個性が存在する。そんな中で、一流のラインである打率3割を記録した選手たちに焦点を当ててみても、やはり異なる長所や特色が見えてきた。2020年に打率3割を記録する選手がどのような顔ぶれになるのか、そしてその選手たちはシーズンを通してどんな活躍を見せるのか。シーズンが終了した後に、あらためて振り返ってみてはいかがだろうか。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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