勝負を分けた4回の攻防 鷹・工藤監督が栗原&上林に求めた「投手心理」
工藤監督は若い栗原と上林を責めず「積極的にいくことを悪いとは思わない」
■西武 6-0 ソフトバンク(30日・PayPayドーム)
ソフトバンクは30日、本拠地PayPayドームで行われた西武戦に0-6で敗れて連勝が3で止まった。プロ初先発となった板東が5回途中5失点。打線も先発・與座ら西武投手陣の前に無得点に終わり、今季初の完封負けを食らった。
勝負を分けたのは4回の攻防だった。3点ビハインドで迎えたソフトバンクは先頭の柳田が中前安打で出塁。続く中村晃が左翼線に落ちる二塁打で続いて無死二、三塁のチャンスを掴んだ。反撃の絶好のチャンスが訪れた。
ただ、ここから後ろが続かなかった。5番の栗原は與座の初球スライダーを引っ掛けて一ゴロ。6番の上林は初球の128キロを打ち返したが、投ゴロに倒れた。2人続けて初球で凡退。松田宣は右中間への大きな飛球を放ったが、中堅・鈴木の好守に阻まれ、この日最大のチャンスを生かせなかった。
試合後、工藤公康監督はこの4回の攻撃について、こう語っている。「自分が『ヨシ!』と思ったのがヒットになることもあれば、正面に行っちゃうこともあります。積極的にいくことを悪いとは思わない。そこは駆け引きとかありますけど、若い打者は甘い球がきたら最初からいくというくらいの強い気持ちで打席に入ることは大事だと思う」。初球を打ちにいった栗原、上林の2人の積極性を責めることはしなかった。
その一方で、2人への要望も。「もったいないと言えばもったいないんですが、初球、初球でしたしね。相手が『やべえな』と思っているというのを打者が理解してくれれば、もうちょっと冷静に対処できたかなとは思います。打てなかったことを責めるというよりも、ピッチャーの心理、バッテリーの心理を理解できるようになると、あれが違う結果になるのかなと思います」と工藤監督は語る。
積極さを持ちつつも、先頭2人を続けて出塁させて無死二、三塁の状況下における投手、バッテリーの心理を考える冷静さも求める。その状況状況で相手が嫌がるのはどんなプレーなのか。そうした引き出しを持つことを若い打者たちに求めていた。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)