不敗神話を止めたソフトバンク打線 いかにして西武ニールを攻略したか?
変化量の大きい低めを捨て、高めに浮く球に狙いを定めた
■ソフトバンク 5-4 西武(31日・PayPayドーム)
ソフトバンクは7月31日、本拠地PayPayドームで西武に5-4で逆転勝ちした。3点を先制された直後の3回に打者9人で5安打を集中させて一気に4点を奪うなど、昨季から13連勝中だった西武先発のニールから6回までに5点を奪い取って、479日ぶりの黒星をつけた。
先発の東浜が3回に山川に12号ソロ、中村に5号2ランと2本塁打を浴びて3点を失った。だが、その裏に1死一、二塁から今宮が中堅フェンス直撃の2点適時三塁打を放つと、中村晃、栗原にも連続適時打が飛び出して一気に4点を得て試合をひっくり返した。6回に同点とされたが、すぐにその裏、明石の2号ソロで勝ち越した。
難攻不落の“ニール城”を工藤ホークスはいかに沈めたのか。試合後、工藤公康監督はニール攻略法について「低めにいく球は変化量が大きい。高めを積極的に打ちにいく」と語り、チームとしての狙いは高めに浮いてくるボールに定めていたことを明かした。
今宮が放った適時三塁打は真ん中高めのツーシーム。中村晃と栗原は低めのチェンジアップ、ツーシームだったが、明石が決勝弾を打ったのも高めのツーシームだった。
6回に決勝弾を放った明石はこう振り返っている。「今日はカットボールがきていなかったんですよね。チェンジアップとツーシームだった。打席に立っても球が高かったんですよね、全体的に。ツーシームも外に逃げていくんじゃなくて、内から入ってきていた」。本来の投球ではなかった、この日のニール。高めを意識したソフトバンク打線の狙いにハマったようだ。
「ニールに勝てたのは良かったですね」とヒーローの明石は振り返り、工藤監督も「ついに止めましたね。『止められるのはウチだ』と選手も声を出して気合いが入っていた」と満足げに振り返った。負けないニールをソフトバンク打線がついに沈めた。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)