「打てないのはどこもそう」 8強進出の関東一、練習不足に左右されない伝統の野球
昨夏の再戦となった4回戦では、2番小野寺が2盗塁で攻撃のチャンスを作った
高校野球東東京大会は2日、神宮球場で4回戦が行われ、関東一が4-0で立正大立正を下し、準々決勝へ駒を進めた。
初回、2番小野寺勇輝外野手が四球を選び出塁すると、すかさず盗塁を敢行。1死二塁とチャンスを作り続く3番初谷健心内野手の右越え適時二塁打で先制のホームを踏んだ。小野寺は先頭で迎えた4回にも死球で塁に出ると、二盗を決めてチャンスメーク。後続が内野ゴロに倒れるなか塁を進め、ノーヒットで1点をもぎ取った。投げては先発のエース左腕・今村拓哉が5安打完封。昨夏準々決勝の再戦となったカードを制した。
「我慢というか、昨年も対戦していてこういう展開は予想していた。うちらしい野球で1点1点重ねられました」と米沢監督。「小野寺は足もある。彼らしい活躍をしてくれた。お兄さんも健大高崎で甲子園に出てる。チームで一番速い、うちのキーマンです」と50メートル5秒8の俊足2番を称えた。
長引く自粛期間で十分な練習時間が確保できなかった今年、例年以上に効果的なのが伝統的な足を絡めた野球だ。「打てないのはどこもそうでしょう。常に走って次の塁を狙うのが野球だと思ってますので。もう一つキレがないような気もしますが、それでも(打撃よりは)練習不足の余波がない。小野寺に限らず、現状走れる選手は他にもたくさんいる」と指揮官。コロナ禍という逆境も味方につけ、この先も伝統の走塁でダイヤモンドをかき回す。
(佐藤佑輔 / Yusuke Sato)