なぜ大谷翔平の今季中投手復帰は絶望的に? コロナ禍で“ぶっつけ本番”が影響か

エンゼルス・大谷翔平【写真:AP】
エンゼルス・大谷翔平【写真:AP】

右肘手術後に投球フォームを修正、対外試合登板なしで投球フォームを崩したか

 エンゼルスは3日(日本時間4日)、大谷翔平投手がMRI検査を受け、右屈曲回内筋群の損傷と診断されたと発表した。投球再開まで4~6週間。4日(同5日)からの敵地・マリナーズ戦にはチームに同行する。指名打者としては状態を見て出場を続ける。

 大谷が右前腕筋を痛めたのはプロ生活初めて。なぜ故障したのか。18年10月の右肘トミー・ジョン手術後に右肘に負荷のかからない投球フォームを模索。「(右腕を)どういうルートで上げていくのか。上げていくことばかりを考えても良くなかったりするので。自然とそのルートに入っていったりとか、じゃないかなと思います」と話していた。

 手術後の投球練習中は多くの場面で水原一平通訳が投球フォームを撮影。細心の注意を払っていたが、今季は新型コロナ禍で3月中旬からオープン戦が中止。対外試合登板はメジャー復帰までなく、調整登板は真剣勝負にならない紅白戦までだった。投手復帰戦まで対外試合がなかったことについて「ない人もいるので、言い訳にならないかなと思います」と大谷は話していたが、右前腕筋を損傷するまでに至ったのは“ぶっつけ本番”で投球フォームのバランスを崩し、右前腕筋に過度の負荷がかかっていた可能性がある。

 球団発表では投球再開までは4~6週間。9月上旬にはキャッチボールを再開できそうだ。しかし、ここからブルペン投球、実戦投球などのリハビリをするとなれば、9月27日のレギュラーシーズン最終戦までの復帰は厳しそうだ。一部の米メディアでは打者専念論が出ているが、投手としての負傷発表は二刀流を続行する意思表明のようにも感じた。本格的な二刀流復帰は来季までお預けとなりそうだが、二刀流・大谷の万全復活を待ちたい。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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