DeNA国吉、坪井コーチのアドバイスで「記念球が2球」 7年ぶり安打のV打&2勝目

「こういう形で勝てると、ブルペンに一体感が出るし、チームも乗っていける」

 送りバントサインが出てもおかしくなかったが、ラミレス監督は「彼が打撃練習で柵越えを打つ姿を見ていたので、バントより打たせた方がいいという予感があった」とヒッティングを指示。実際には、国吉が最後に打撃練習をしたのは「(2月の)キャンプの時」という心細さだったが、阪神先発・岩貞の初球の内角高め142キロ速球をたたき、見事に“逆方向”の右中間を抜いて2者を生還させた。

 プロ11年目・28歳の国吉のヒットは、2013年以来7年ぶり4本目。打点も過去には13年に1つあっただけで7年ぶりだった。国吉は「坪井打撃コーチから『初球からいっていい』と言われていました。芯でとらえた感触はありました」と会心の笑みを浮かべた。ちなみに、熊本・秀岳館高時代は「通算3本塁打」。

 投げては6回に「3イニング目でバテテしまって」、1四球を挟み3連打で2点を失い、イニング半ばの2死でマウンドを降りたが、後続の藤岡、山崎、パットン、三嶋が相手の反撃を1点でしのぎ、国吉に白星が転がり込んだのだった。国吉は今季初安打・初打点のボールに加え、今季2勝目のウイニングボールもゲットし、「今(記念球が)2球持ってます。行き先? これから考えます」と照れた。

“先発の谷間”を最高の形でしのぎ、過酷な9連戦をここまで6勝1敗。国吉が「こういう形で勝てると、ブルペンに一体感が出るし、チームも乗っていける。これからのシーズンに向けて、いい意味があったと思う」と語った通り、首位・巨人の背中がはっきりと見えてきた。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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