“魔物不在の夏”に球児が感じた本音 磐城-国士舘戦で見えた新しい応援の形

国士館・中西健登【写真:編集部】
国士館・中西健登【写真:編集部】

6回の磐城のチャンスでは、一塁側スタンドから自然と手拍子が巻き起こった

 新型コロナウイルスの影響で中止となった選抜出場予定32校による「2020年甲子園高校野球交流試合」の大会4日目が15日、甲子園球場で行われ、第2試合では磐城が3-4で国士舘に惜敗した。昨秋の台風19号による豪雨被害、21世紀枠での46年ぶりとなる選抜と中止の発表、木村保前監督の異動。様々な困難を乗り越えての大健闘は、一方で“甲子園の魔物”の不在も感じさせる一戦となった。

 磐城は2回、8番沖政宗投手の中越え適時打などで2点を先制。3回に逆転を許すも6回には足を絡めた攻撃で一時同点に追いつくなど、2年連続出場の強豪国士舘を相手にほぼ互角の勝負を演じた。

 象徴的だったのがその6回、中前打で出塁した3番市毛雄大内野手が二盗を決めた場面。それまで無観客で静まり返っていた甲子園スタンドの一角、木村前監督も見守る一塁側から自ずと手拍子が巻き起こり、続く6番草野凌内野手の同点適時打を後押しした。だが、国士舘のエース中西健登投手も流れを渡さず、次打者を三ゴロに打ち取り最少失点でピンチを切り抜けた。

 中西は試合後、その場面について「拍手が起こって、雰囲気が違うなと思った。でも逆に楽しめました」と回想。その上で「もし、例年通り満員の甲子園だったら、プレッシャーになっていたかもしれません」とも付け加えた。

「いい意味でも悪い意味でも応援はプレッシャーになる」と語った球児の本音

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