山本由伸が快投しても勝てない… 随所に見えたオリックス低迷の要因を元監督が指摘

森脇氏の提言「結果が全てと言われる世界だからこそ、プロセスを大切に」

 また、ポイントは序盤の2回の攻撃にも。オリックスはT-岡田の適時二塁打で1点先制し、なおも1死一、三塁のチャンスだった。味方の先発・山本が2回まで無安打無失点5奪三振のスタートを切っていただけに、もう1点追加すれば、試合を極めて有利に進められるところだった。だが、8番・西浦はストライクを2球見逃してカウント1-2と追い込まれた挙句、ワンバウンドになるフォークを振らされ三振。消極的な姿勢が残念だった。続く若月も空振り三振に倒れて逸機したのだった。

「勝負所というものは、試合の終盤に来るとは限らない。私はオリックスの監督時代、選手、コーチ、チームスタッフに『初回にベストのプレーができる準備をしてくれ』と伝え続けた」と森脇氏は言う。この日の攻撃の勝負所は2回だった。1点で終わるのか、2点目をもぎ取るのかでは大違い。そこにチームとして最善を尽くせたかどうか。

 森脇氏は「首脳陣には戦略として、西浦がネクストサークルにいるうちに、状況(準備)の確認と勇気付けをしてほしかった」と指摘。さらに、西武は右足首を痛めている山川の代役としてメヒアが一塁を守っていただけに「まずセーフティースクイズを試みるとみていた」が、西浦にそういう素振りはなかった。

「私はここまで結果論を述べたのではない。結果が全てと言われる世界だからこそ、プロセスを大切にしてほしいと思う。今年は稀に見る混戦のペナントレースを、今も期待している。オリックスはこの位置で終わるチームではない。私も一ファンとして心から声援を送り続けたい」と古巣にエールを送る森脇氏。オリックスが、いまや日本を代表する本格派投手に成長した山本、今季打率.361(18日現在)を誇る吉田正ら役者を擁しながら低迷している原因は、こういう見過ごされがちな部分にあるのかもしれない。

【動画】山本由伸が快投披露も勝利が遠い… 18日のオリックス対西武戦ハイライト

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