燕に迫る最下位転落危機 OB飯田哲也氏は鍵握る投手陣にゲキ「今が正念場」
原樹理が3回持たず2試合連続序盤KO、チーム防御率と総失点は断トツワースト
■中日 11-2 ヤクルト(19日・神宮)
ヤクルトは19日、本拠地神宮球場で行われた中日戦に2-11と大敗。中日に抜かれ、5位に転落した。最下位の広島も1.5ゲーム差に迫っている。ヤクルトOBで外野手としてゴールデングラブ賞7回を誇った飯田哲也氏は「今こそ正念場。先発投手陣が鍵を握っている」と警鐘を鳴らした。
この日、先発の原樹理投手は1回にいきなり、アルモンテに左翼ポール直撃の先制3号2ランを被弾。2回に村上、濱田のダブルエラーに足を引っ張られ2点を追加されたのは気の毒だったが、3回にビシエドの11号ソロと阿部の7号ソロで加点され、下位打線の京田、郡司に連続四球を与えたところで降板を命じられたのはいただけなかった。2回2/3を投げ、3本塁打を含む5安打6失点。前回登板した今月12日の巨人戦でも坂本、パーラに連続弾を浴び、2回4安打5失点でマウンドをあとにしており、2試合連続の早過ぎるKO劇となった。
飯田氏は「原は持ち味のシュートがすっぽ抜け気味で、丁寧に投げようとするあまりボールが先行してカウントを悪くし、ストライクを取りにいって長打を浴びるパターンでした」と指摘。「序盤に大量リードを奪われた時点で、“勝ちパターン”のリリーフ投手を投入するわけにはいかなくなる。やや力の落ちる投手をつないで、火に油を注ぐ結果になったのはやむをえない」とみる。
19日現在、ヤクルトの今季総得点218は巨人の228に次ぐリーグ2位。チーム防御率4.63と総失点254がいずれもリーグダントツワーストの投手陣に低迷の要因があることは明らかだ。とりわけ先発ローテは手薄。開幕投手の石川は上半身のコンディション不良を理由に、7月15日に登録抹消されたまま。計算できるのは、今月15日のDeNA戦で今季5勝目を史上82人目のノーヒットノーランで飾った小川1人、というのが偽らざる現状だ。
飯田氏は「夏場はどうしても連投を強いられるリリーフ陣に疲労が蓄積する。先発投手には1試合を任された責任感と気概を持って投げてほしい」とゲキを飛ばしたが、果たして救世主は現れるか。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)