今の時代だからこそ「直筆で…」 ヒロド歩美アナが球児に綴った約450通の手紙
番組取材で向かった長崎商でヒロドアナ号泣…ブラスバンド部の音色と選手の行進に感動
手紙を送った後、実際に取材に訪れた野球部もある。5月20日の夏の甲子園中止を受け、テレビ朝日系「報道ステーション」のトップニュースで取り上げられた長崎商だ。今年で創部100年を迎える伝統校の部員たちが中止を受け、グラウンドに泣き崩れていた姿は印象的だった。
彼らのその後が知りたくなった。ヒロドアナとスタッフは長崎へ向かった。副主将の堺直孝くんをはじめ、部員たちがあそこまで号泣していた理由を取材した。「長崎商の3年生全員から手紙の返事をいただきました。甲子園の中止を受けて『親に謝罪した』という子がいたのがとても印象的でした」。他人には分からない、固く結ばれていた家族との絆があったからだった。一人一人の背景を知れば知るほど、胸が締め付けられる思いだった。
また、球児だけでなく、ブラスバンド部やチアダンス部の生徒たちも、活躍の場を失っていた。ヒロドアナが取材した日は、長崎独自大会の開幕前日。ブラスバンド部とバトン部による野球部の激励会が行われた。生徒たちが先生に直訴し、この会は実現。「栄冠は君に輝く」を演奏し、その奏でるメロディーに合わせて、野球部員が体育館を行進した。
聞くことができないと思っていた野球応援の音色。球場のドラマが蘇ってきた。その演奏に応えるように一生懸命、行進する選手たちの姿にヒロドアナは涙したという。それくらい素晴らしい光景だった。
テレビ朝日系高校野球特番「2020 君だけの甲子園」(8月23日よる9時~)の取材を通じ、同校の野球部だけでなく、高校生たちが向き合った現実、家族の思いが伝わってきた。ヒロドアナは特別なこの夏の取材や手紙を大切に心にしまっている。
「球児からいただいた手紙をよく見ると、ちゃんと下書きをしていたり、清書していたり、シャープペンシルで書いては何度も消したりしているのがわかります。頑張って書いてきてくれているんだなという形跡が見えました」
失敗してはトライをし、一生懸命、ひたむきに書かれた球児の手紙。それはまるで野球と向き合った2年半の道のりのようだ。各都道府県の独自大会や、甲子園交流試合など、彼らが戦ったという証はそれぞれの胸にしっかりと記されている。
(Full-Count編集部)