プロ野球球団がなぜ“読書”なのか? 日本ハムが北海道で読書推進活動を続ける理由
球界初の選手プロデュースの絵本「自分たちで制作することもありなのでは」
「ファイターズが読書を推奨している、という芯を持っていることで、派生型が次々に生まれてきます」と見田さんが言うように、活動はここでは紹介しきれないほど多岐にわたる。そのなかでも特に大きな広がりを見せたのは、球界初の取り組みとなった、選手プロデュースによる絵本の制作だった。
「絵本は活動を始めた2年目の2015年から3年にわたり制作しました。チームワークや野球というスポーツの魅力、食と体作りの関連性、そして自然科学と題材を変えながら、今、子どもたちに伝えていきたいことをダイレクトに訴えかけるなら自分たちで制作することもありなのでは、と考えたのが出発点です。大人が読み聞かせる場合はお子さんとの絆も深まりますし、お子さん自身が読めば読解力を高めることにもつながります」
栗山監督と選手会が意見を出し合いながら制作を進め、北海道在住の絵本作家がイラストを担当した。監督と選手はかわいい動物に置き換えられ、物語を通して子どもたちにメッセージを伝えていく内容だ。絵本に描かれた物語は、子どもの世界をどんどん広げ、感性を豊かにし、知的好奇心を引き出してくれる。さらに絵本の読み聞かせは、親子が楽しく向き合う環境づくりへとつながるため、家庭や図書施設での読書習慣の定着を図ることもできる。