今季で見納めかもしれないワンポイント パ各球団の“左キラー”事情は?

ロッテの屋台骨を支える松永は7年連続40試合超に登板

【ロッテ】
 ロッテでは松永昂大投手の貢献度が特筆すべきものだろう。2012年にドラフト1位で入団以来、7年連続の40試合以上登板を記録し、ロッテ投手陣の屋台骨を支え続けている。昨季は2度の離脱も、チームトップとなる25ホールドを記録。対左打者に対しては、驚愕の被打率.113とほぼ完璧に封じ込め、その左キラーぶりは健在だ。なお、2018年には節目の100ホールドを達成し、次なる目標150ホールドまでは残り18と射程圏内。通算9人目となる偉業達成にも期待がかかるシーズンだ。

 若手の成長株が成田翔投手だ。秋田商業出身、かつて甲子園で鮮烈な印象を残した本格派左腕は、今秋から腕を少し下げた新フォームに挑戦。勝負の5年目に左キラーとして活路を見出す覚悟だ。昨季はイースタンで2位タイの51試合に登板。防御率2.82と結果を残した。2018年の日米野球では、シーズンわずか5試合の1軍登板も、代替選手として稲葉監督から抜てきを受けるなど、そのポテンシャルの高さは折り紙付き。今季こそ1軍の舞台で活躍を果たしたい。

 同じく飛躍が期待されるのが永野将司投手。3年目を迎える最速154km/hの速球派左腕で、イースタンでは2年連続でイニングを上回る奪三振を記録。(2018:21回で29奪三振 2019:41回2/3で44奪三振)これまで腕を少し下げ気味だったが、今季はオーバースローにフォームを変更し、新たにツーシームの習得に励んでいる。永野投手は2019年に不安症の一種である広場恐怖症であることを公言。移動は自家用車が主で、電車は各駅停車しか乗れないという。マウンド上では快速球を披露し、チームの原動力となりたいところだ。

【日本ハム】
 北海道日本ハムでは、2019年からオープナーやショートスターターなど革新的な投手起用を取り入れた。ことの賛否についてはここでは明言を控えるが、先発投手が長いイニングを投じることが少なくなったことは、数字にも現れている。昨季の完投数はわずか1であるのに加え、先発投手の平均投球回は4.62と12球団最少だ。一方、救援投手の平均投球回は4.27と12球団トップだった。

 日本では前例のなかった起用法に戸惑う投手陣を支えたのは“鉄腕”宮西尚生投手。ルーキーイヤーから12年連続50試合以上登板を継続し、2019年終了時点で通算684試合に登板。前人未踏の300ホールドを達成し、今季は350ホールドに到達。最優秀中継ぎ投手のタイトルを3度受賞している球界No.1の左キラーだ。

 12年目の昨季は、55試合で防御率1.71、43ホールドをマーク。2年連続3度目の最優秀中継ぎのタイトルを受賞し、対左に被打率.221と、5年連続で3割以下に抑えただけでなく、対右に対しても被打率.158と4年連続5度目の対右被打率1割台を記録。右打者に対しても相性の良さを見せた。

 左キラーの印象が強い宮西だが、これまで12年間の平均被打率は対右打者の方が良いという少し意外な結果に。(対左打率.218、対右打率.214)むろん、打席数の差はあるが、左右問わず相手打者を手玉に取る球界随一の中継ぎ左腕といえる。

日ハム公文、オリックス海田らも左の中継ぎとして活躍

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