甲子園のスターから挫折、運命の出会い… 西武ドラ8岸が明かすプロ入りの真実

子どもたちの野球教室に参加し「野球っていいな」

「子どもたちとの野球教室に参加する機会があって、そこで『野球っていいな』と改めて感じ、再びNPBを目指すことを決めました。この2年間はNPBに行くことだけを考えていました。2年で行けなければ、きっぱり野球を辞めるつもりでした。辞めた後のこととかも考えず、とにかく必死でした」

 徳島インディゴソックスにはトライアウトを受け入団。甲子園で活躍したというプライドを捨て、うどん店や居酒屋でアルバイトをしながら再起を目指した。自身の武器でもあるスピードを磨き、18年には盗塁王を獲得。そして、最後の挑戦と決めて臨んだドラフトで、西武から8位指名を勝ち取った。支配下最後の74番目だった。

「7位で同じ徳島の上間が呼ばれて、続けて徳島からはないだろうと思っていたので諦めていました。『育成でもいいからどこかお願い、頼む』という気持ちでいたので、名前を呼ばれたときはびっくりしました」

 7月5日の本拠地対オリックス戦で1軍デビューを果たしたが出場は3試合に留まり、25日に抹消。プロのレベルの高さを痛感し、再びファームで汗を流している。

「バッティング練習から打球の飛び方が違う。レベルが違うとかそういう次元じゃないくらい違います。いろいろ話を聞いて、しっかり勉強させてもらっています。自分のスピードを生かしつつ、全体的なレベルアップをしていきたい。1軍のレギュラーで試合に出られるような選手になりたいです」

 練習に励む中、ロッカーや食堂で、テレビから流れる甲子園交流試合を目にし、聖地で躍動した夏を思い出した。

「甲子園は自分が変われる場所だと思う」「諦めずにプロを目指してほしい」

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