甲子園のスターから挫折、運命の出会い… 西武ドラ8岸が明かすプロ入りの真実
「甲子園は自分が変われる場所だと思う」「諦めずにプロを目指してほしい」
「甲子園は自分が変われる場所だと思う。そこでアピールできれば、夢だったプロが一歩近くなる。自分にとっては、プロを目指す自信を与えてくれた場所でした」
憧れの世界を現実のものにする確かな手応えを掴んだが、思い通りにはいかなかった。それでも諦めずに挑戦し、夢を叶えた。今年は新型コロナウィルスの影響で、選抜、夏の選手権大会が中止になった。プロを目指す球児たちはアピールの場を失ったが、自身の存在がそんな球児たちの希望になれればと思っている。
「高校球児は、甲子園しか目指していない。ショックはすごく大きいと思うし、声とかかけられない。『この悔しさをバネに頑張れよ』って言われても『せやけど……』。みたいな感じだと思う。今年の大会で活躍して、プロに行けた選手もいたはず。簡単に言葉にはできないけど、それでも、諦めずにプロを目指してほしいと思っています」
U-18日本代表でともに戦った高橋光成投手とは、ずっと連絡を取り合っていた。道のりは異なるが、かつての仲間と再びチームメートになった。
「高校からすぐにプロに行けばよかったと思ったこともありました。でも今は後悔していません。選手としても、一人の人間としても成長することができました」
力強く話す23歳のルーキーは、ここまでの道のりが遠回りではなかったことを証明するため、プロの世界での活躍を誓う。
(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)