手元で鋭く曲がり、スピードも… お股ニキが選ぶMLB屈指の2シームの使い手は?

レッズのソニー・グレイ【写真:AP】
レッズのソニー・グレイ【写真:AP】

シュート幅の大きいバシット、日本人投手も参考になるグレイ

【2位】クリス・バシット(アスレチックス)
回転効率86.3%(4シームを含む) 平均球速93.04マイル(約149.7キロ) Spin Axis 1:52  2146回転
空振り率15.0% 投球割合41.49% 被打率.235 ピッチバリュー/100 2.1

 トミー・ジョン手術を経験し、昨季はアスレチックスで先発投手として初の2桁勝利を挙げたクリス・バシット。2シームとカッター、カーブ、チェンジアップをメインとしたオーソドックスなピッチング構成で、今季も防御率3.72、2勝2敗と好調だ(現地8月30日現在)。

 昨季メジャートップの指標を記録したバシットの2シームは、以前話題になったお股2シームに近い感じで横の変化量が大きなシュートのようなボールである。鋭く切れ込む変化で空振りやフライ、コーナーでは見逃しを奪うことができる。バシットの2シームはリンのものとは違って落とすのではなく、シュート幅を大きくしていくタイプである。

【3位】ソニー・グレイ(レッズ)右投
回転効率68.2%(4シームを含む) 平均球速93.69マイル(約150.8キロ) Spin Axis 1:38  2440回転
空振り率5.7% 投球割合18.88% 被打率.233 ピッチバリュー/100:1.6(→2.6)
※()内は2020年の数値

 ソニー・グレイは元々、アスレチックスでデビューした当初から好きな投手で、ミゲル・カブレラやジャスティン・バーランダー、マックス・シャーザー擁する黄金期のタイガースとプレーオフで対戦する姿をよく目にしていた。近年は停滞も感じていたが、フォームが良くなり、日本の投手にも大変参考になるという。

 投手としてのタイプは山岡泰輔投手(オリックス)のようなイメージで、小柄ながらややまっスラ気味の4シームとパワーカーブのようなスライダーをメインとするピッチング構成だったが、今季は2シームの指標が抜群だ。見方によっては、速球の回転効率を少し下げるためにボールの中心を叩かず、やや右側を擦るように意図して投げているとも言える。

 2シームの使い方もまた絶妙だ。左打者にはフロントドア2シーム、右打者にはバックドア2シームとなるように、ベースの一塁側いっぱいを上手く使っており、制球力に加えてキャッチャーのフレーミングとの相性も見事で、多くの見逃しを奪っている。

ダルビッシュの“スプリーム”に近いアンダーソンの2シーム

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