手元で鋭く曲がり、スピードも… お股ニキが選ぶMLB屈指の2シームの使い手は?

ブルワーズのブレット・アンダーソン【写真:AP】
ブルワーズのブレット・アンダーソン【写真:AP】

ダルビッシュの“スプリーム”に近いアンダーソンの2シーム

「プラス1」として、マディソン・バムガーナー(ダイヤモンドバックス)やサンディ・アルカンタラ(マーリンズ)、マイク・ソロカ(ブレーブス)らも候補に挙がるが、ソロカはアキレス腱の怪我で今季絶望となってしまったため、変わり種としてブレット・アンダーソン(ブルワーズ)を選出することにした。

【プラス1】ブレット・アンダーソン(ブルワーズ)左投
回転効率80%(推定) 平均球速89.94マイル(約144.7キロ) Spin Axis 10:01 1798回転
空振り率5.6% 使用割合43.81% 被打率.295 ピッチバリュー/100:-0.2

 トータルでは驚くほどの成績ではないが、昨季は2シームの指標だけずば抜けて高かった。密かに注目していたが、ダルビッシュ有(カブス)がスプリームを開発した際に真っ先に思い起こした投手だ。ややシュート気味に沈む2シームはスプリームのような性質を持っているが、回転数はやや少なめである。4シームのような軌道から、わずかにシュートしながら沈むボールで、多くの空振りやゴロでの併殺を奪った。

 おおよそ、右投手なら水平面に対するボールの傾きを示すTILTが2:00前後(左なら10:00前後)で、回転数2000rpm前後、球速90マイル(約144.8キロ)超、回転効率80%前後のボールを、データ上では「スプリーム」と定義できそうだ。2シームより少し指を開き、スプリットよりは閉じて、中指で最後にリリースするイメージかもしれない。ジャイロシンカーならスラッターのような投げ方で手前右下(左投手なら左下)をリリースする方法もありそうだ。

※回転効率:総回転数のうちボールの変化に影響を与える回転数の割合。

※Spin Axis:回転軸の傾き 時計盤の中心にボールがあると考えて“時間”で表記。例えば「6:00」の場合、ボールは投手からホーム方向へ12時から6時へ下向きの回転(トップスピン)をすることを示す。「12:00」の場合は6時から12時へ上向きの回転(バックスピン)、「3:00」の場合は9時から3時へフリスビーのような右向きの回転(サイドスピン)、「9:00」の場合は3時から9時へ左向きの回転(サイドスピン)となる。

※ピッチバリュー/100:その球種が生み出した得点貢献(期待失点の減少)を、100球投じた場合の平均に直したもの。例えば、ある投手の4シームが2.00ならば、「4シームを100球投げることで平均よりも2点の失点を減らした」ことになる。

【動画】2シームも凄いが他の球種もエグい… お股ニキが選ぶ2シームランキング1位ランス・リンの投球映像

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY