「彼らが好きじゃない」ヤ軍とレ軍で非難の応酬、3日は“報復合戦”の危機?
田中将大が与えた死球にもレイズの怒りの矛先が…「あれは一目瞭然だった」
■ヤンキース 5-3 レイズ(日本時間2日・ニューヨーク)
1日(日本時間2日)にヤンキースタジアムで行われたヤンキースとレイズの一戦で両軍が睨み合う一触即発の事態が起こった。9回にヤンキースのアロルディス・チャップマン投手が、レイズのマイケル・ブロソー内野手に投じた頭部近くを通過する1球が引き金となり、試合終了後に両軍がベンチから飛び出して入り乱れる騒ぎとなった。
ヤンキースが2点をリードして迎えた最終回。2死からチャップマンがブロソーへ投じた初球の100.5マイル(約161.7キロ)は頭部付近へ。間一髪のところでブロソーは回避したものの、危険な1球に不穏な空気が流れた。その後、チャップマンがブロソーを空振り三振に切って取った後に、両軍の監督、選手らが一斉にベンチから飛び出して睨み合いになった。
試合後も両軍の監督、選手の怒りは治らない様子で、ニューヨークの地元メディア「ニューヨーク・ポスト」はその模様を伝えている。レイズのケビン・キャッシュ監督が「こちらには98マイルを投げられる投手がたくさんいる」と“脅し”とも取れる発言をすれば。ヤンキースのアーロン・ブーン監督は「それは非常に恐ろしいコメントだ。適切だとは全く思わない」と反応したという。
このキャッシュ監督のコメントに対し、ヤンキースのDJ・ルメイヒュー内野手は「彼らの監督のコメントは私たちのクラブハウス内にすぐさま伝わった。明らかに、それはかなり真剣な脅しだ。しかし、それならそれでいい。彼らは私たちにぶつけようとしているみたいだな。私たちは準備万端だ」と応酬した。
さらに、レイズ側の矛先は初回にジョーイ・ウェンドルに死球を与えた田中将大投手にまで向いた。キャッシュ監督は「あれは一目瞭然だった」と語り、田中の死球が故意的なものであったと指摘。米メディアには、この死球が、試合後の騒動の最初の引き金になったとの見方もあった。
チャップマンは試合後、コメントをしなかったというが、「ニューヨーク・ポスト」ではザック・ブリットン投手のコメントを紹介。「彼は(新型コロナウイルスから回復したところで)錆びつきから復活しようと努めているところだ。彼はまだ本調子じゃない」とし、コントロールミスは仕方ないと左腕を庇う。
一方で間一髪で頭部への投球を避けたレイズのブロソーは「あれは全くもって怖かった。おびえた気持ちで打席に入ることはないが、100マイルが自分の顔に飛んでくるのは間違いなく目を覚まさせるものだ」と、投球への恐怖を告白。レイズのケビン・キアマイアー外野手は
「前から言っているけど、私たちは彼らのことが好きじゃない。彼らも私たちのことが好きじゃない」と、ヤンキースへの嫌悪感を隠さなかった。
批判と非難の応酬となったヤンキースとレイズ。レイズのキャッシュ監督は2日(日本時間3日)の試合での“報復予告”とも取れる発言をしているが果たして…。不穏な空気が漂ったまま、ヤンキースとレイズは今季のレギュラーシーズン最後の対戦を戦うことになる。
(Full-Count編集部)