巨人戸郷が叩き出す菅野や中日大野雄を凌ぐ数字 セイバー指標で見る8月の月間MVP
ヤクルトの村上はリーグトップのwRAA11.75をマーク
・8月の月間MVP:セ・リーグ打者部門
打者評価として、平均的な打者が同じ打席数に立ったと仮定した場合よりもどれだけその選手が得点を増やしたかを示すwRAAを用います。
各チームのwRAA上位3名は以下の通りです。
巨人 丸佳浩7.75 坂本勇人6.19 中島宏之4.70
DeNA 佐野恵太9.29 梶谷隆幸7.11 宮崎敏郎5.51
阪神 近本光司6.96 サンズ6.90 大山悠輔3.47
広島 鈴木誠也8.07 堂林翔太4.83 坂倉将吾3.42
中日 大島洋平5.16 阿部寿樹5.03 高橋周平2.90
ヤクルト 村上宗隆11.75 青木宣親6.13 山田哲人3.69
6、7月に調子の上がらなかった巨人の丸や阪神の近本が本来の実力を発揮し、チーム1位の貢献度を記録しています。特に近本は月間38安打、打率.352、5盗塁がいずれもリーグ1位でした。DeNAの佐野、広島の鈴木は開幕から4番として好調をキープ。特に佐野は月間6本塁打、22打点で“2冠”を達成しており、打率も.343もリーグ3位であることから、公式の月間MVPの最有力候補といえるでしょう。
鈴木は月間打率.267と物足りない印象ですが、OPS.931はリーグ3位と健闘、ただチーム内に鈴木を追随する打者がいないため孤軍奮闘状態となっています。中日のwRAAトップが大島の5点台。中日の月間チーム防御率がリーグ1位の3.28であるにもかかわらず、援護率が3.54、打率.225、OPS.626すべてリーグ6位ということが、中日が期待ほどの勝利を得られていないことを物語っています。
ヤクルトは村上、青木に加え、8月13日に1軍復帰した山田哲人の貢献が目立ちました。村上は公式の6、7月度の月間MVPを獲得しましたが、今月はwRAAという指標でリーグ1位の11.75を記録し、ヤクルトの不動の4番としての貫禄を示しています。よって今月のセイバーメトリクスの指標から見た打者部門のMVPは村上としたいと思います。
村上宗隆(ヤクルト):wRAA 11.75
打率.345(リーグ2位)OPS1.055(リーグ1位) 5本(リーグ3位)出塁率.457 長打率.598(ともにリーグ1位)