BC神奈川の元バドミントン部150キロ右腕が待つドラフト 「もう1年の可能性はある」
高校、大学と野球部未所属で元バドミントン部と異色の経歴を持つ杉浦健二郎投手
高校、大学と野球部未所属でプロ入りを目指す、ルートインBCリーグ神奈川の150キロ右腕・杉浦健二郎投手。元バドミントン部という経歴もあり注目を浴びる男が、今秋のドラフトで指名がない場合は来季もプロ入りを目指す可能性を示唆した。
「受からないことを前提に、就活でセールスポイントになれば」
中大3年の昨年11月、この言葉を胸に独立リーグのトライアウトを受験した杉浦。是が非でもプロ入りを目指すも猛者が集まる独立リーグでプレーするうちに心境の変化があったようだ。
もともと肩が強かったのかブルペンで150キロを記録して、一躍プロの注目を集め、BCリーグ参入1年目の神奈川に入団。現在は中大法学部政治学科の4年生だが4月から休学して、秋のドラフトまでアピールすべく、BCリーグでプレーを続けている。
一時は「(今秋のドラフトで)指名がなければ大学に戻り就活」としていたが、ポテンシャルを発揮し切れていない思いから6日、ひたちなか市民球場で行われた茨城戦の試合前には「もう1年の可能性はある」と来季もNPB入りを挑戦する可能性を示唆した。
ここまではリリーフ主体で7試合に登板。防御率は6.75、WHIPは1.75と目立った成績を残せていない。唯一初先発した7月24日の埼玉武蔵戦では日本ハムをはじめ3球団のスカウトが見守った。だが、2回4安打で5四死球と制球を乱し3失点とアピールに失敗。「ちゃんと投げられていないのが原因です。コーチからも言われているが、今は腕をとにかく振って真っすぐだけ投げている。(もっと)カーブ、ツーシームを混ぜれば、打たれることは少ないと思う」と自己分析した。
これまで試合での最速は145キロだが、肩、肘に柔軟性があり、スリークオーターからのピッチングは、伸びしろを評価する声もある。チーム関係者に新型コロナ感染者が出たことで、8月28日から試合中止で、4日の埼玉武蔵戦までブランクと厳しい環境だが、ドラフトまであと1か月余り。残り少ない試合の中で“原石”の今後に注目したい。
(細野能功 / Yoshinori Hosono)