オリックス吉田正に漂う“夢の4割打者” 専門家が「狙える」と語る根拠とは?
「吉田正はトップとなるグリップの位置が全くブレない」
吉田正が相手の失投を確実に捉えられているのは、打撃フォームが安定していることが要因だという。
「普通の打者ならテークバックした時にトップの位置がずれる選手が多いが、吉田正はトップとなるグリップの位置が全くブレない。グリップが下がるとヘッドの位置が下がるので、ボールの下にバットが入り、空振りになることが多くなるが、吉田正のように軸がブレなければ、しっかりとボールを捉えられる」
チームはここまで22勝41敗5分と、5位西武にさえも大きく差を開けられ、最下位に甘んじているが、その中でも吉田正の存在は相手バッテリーにとって最大の脅威となっている。松本氏は「今、相手の投手たちは、吉田正の前にいかに走者を出さないようにするかを考えていると思う。走者がいなければヒットを打たれても構わないが、走者がいると失点につながる」と、ほぼ4割と高い得点圏打率を誇る吉田正の存在の大きさを強調する。
この日もヒットを放ち、イチローの連続安打記録を抜いた吉田正。打率もさらに上昇し、夢の4割打者誕生の期待も膨らんできた。松本氏は言う。
「4割打者になれる可能性もこれから出てくるのではないでしょうか。それくらい正確性が増している。プロに入ってきた時は、スイングスピードは凄かったが、正確性は今よりも低かった。それが、この5年間で今の形が出来上がった。そして、彼はまだまだ伸びていける。期待も含めて、4割という前人未到の数字にもチャレンジしてもらいたいですね」
日本のプロ野球の歴代最高打率は1986年に阪神のバースが記録した.389。パ・リーグでは2000年にオリックスのイチローがマークした.387が最高だが、これから後半戦でどれだけ打率を上げていくことができるのか。残り52試合での吉田正のバットに、注目が集まる。