上野由岐子がまさかの6失点も「いい経験」と語った訳 五輪を見据えた“新球”の存在
4回5四死球6失点と乱調「全体的に駄目だった」
新型コロナウイルスの感染拡大を受け前半戦が中止となっていたソフトボール日本女子リーグ1部が6日、神奈川・大和スタジアムで行われた。日本代表のエースを務めるビックカメラ高崎の上野由岐子投手はトヨタ自動車戦に先発したが4回7安打6失点とまさかの乱調で黒星を喫した。
多くの視線と期待の中でマウンドに上がった上野。しかし、そのピッチングは本来のものではなかった。
味方の本塁打で1点をリードし迎えた立ち上がり、死球などでピンチを招くと1死一、三塁から4番・古沢春奈の打球は上野のグラブの横を抜け中前へ。その後もパスボールで2点目を許し、あっさりと逆転を許す。2回も死球でピンチを広げ、またも古沢に右翼への適時三塁打を許した。3回は無失点に抑えるも「たまたま抑えられただけ」と納得いった様子ではなく、4回にも2安打を許し1失点。この回でマウンドを降りた。
マウンドでは終始納得のいかない表情をみせていた上野。試合後この日の投球について「6失点してるので全体的に駄目だったなと思います。投げてて感覚的にしっくりきてなかった」と淡々と振り返った。
4日の前日会見では、待ちわびた開幕に際して「新しい変化球を試したい」と意気込んでいた上野。その“新球”もこの日の試合で投げたようだが「(その球も含め)手応えのあるボールはなかった」と満足いかない様子だった。“新球”の使いどころについては「配球は我妻(捕手)に任せているので、早いカウントでも使ったし、いろんなカウントで使ったと思う」と答えた。
上野同様、バッテリーを組んだ我妻悠香にも“新球”に関する質問が多く飛んだ。どのような球種なのかについては2人とも明言はしなかったが「練習で自分のテンポで投げるのと、試合で投げるのとは違う。これからも試合で試していけたら」と我妻は答えた。使いこなしていくのはまだまだこれからのようだ。
今季は残り10試合。1敗の重さが例年より重くのしかかる。「今日はいい経験ができた」と最後は前向きに語った上野。この悔しさはこれから晴らしていけばいい。
(上野明洸 / Akihiro Ueno)