背番号「13」の宿命? 西武高橋光“ノーノー未遂”も大先輩を彷彿するエースの姿

辻監督も高橋光の好投を評価「何かコツをつかんだような、ちょっと大人になった気がする」

 背番号「13」は、西口コーチが1995年から2015年まで、21年間の西武での現役生活中に一貫して背負い、通算182勝をマーク。3年間欠番となった後、それまで「17」を付けていた高橋光が昨年継承した。前橋育英高2年で甲子園大会優勝を成し遂げ、ドラフト1位で入団したスター性に加え、グラブをはめた左手を打者の方へグイッと突き出す投球フォームが、西口コーチの現役時代に似ているとの声もあった。

 この日の高橋光は、9回を前に西口コーチから「ツーアウトまでいけ!」と声をかけられ、初ヒットを浴びた直後には、マウンドに駆け寄った西口コーチから「ツーアウトまでいけって!」とツッコミが入った。

 9回先頭に夢を打ち砕かれた高橋光も、9回1死までだった涌井も、2度にわたってあと1人まで迫り、1度は走者を1人も許さないまま9回を投げ切った西口コーチの域には、いまだ達していないと言えなくもない。

 とはいえ、今季開幕から球数が100前後に達したところで打ち込まれる試合が目立った高橋光が、2試合続けて文句なしの快投。8月25日・日本ハム戦の3回から、20イニング連続無失点の安定ぶりだ。期待が大きいゆえの厳しいコメントを投げかけてきた辻発彦監督も、ついに「この2試合に限っては、素晴らしい」と手放しで褒め「非常に力が抜けていたというか、何かコツをつかんだような、ちょっと大人になった気がする」と評した。

 西口コーチとしても、ノーノーを達成して因縁を解除してもらうに越したことはないが、高橋光が着実にエースへの階段を上ってくれる方が、ずっとうれしいに違いない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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