世界最高級の速球を“第2の球種”に使う贅沢…ダルビッシュにみる進化とは?
速球進化にも関わらず以前に増して「速球投手」らしくない組み立て
さらに記事では、昨季からのダルビッシュの成長を紹介。米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」のサハデブ・シャルマ記者によると、カブスのスカウティング・データベースが進化し、ダルビッシュの球種の改良に役立ったという。昨季、速球の被打率.350、被長打率.750と相性が悪かった左打者との対戦を改善する必要があったとしており、そのためにダルビッシュはゲリット・コールやジャスティン・バーランダーを研究したことを挙げている。
その研究の結果、回転効率を高める必要があるとして、握りを変えたことを指摘。時計の文字盤で1時の位置にあった人差し指と中指を12時の位置に変え、7時の位置にあった親指を6時の位置に変えたと細かくポイントを挙げている。この改良により、打者から見てより「浮き上がる」ようになったと言及している。
記事では、速球が進化したにもかかわらず、投球の組み立ては以前にも増して「速球投手」らしくない組み立てになっている点にも注目。投球割合の60%以上をカットボールとスライダーが占め、初球に速球を投げる回数は昨年のおよそ半分ぐらいになっているいう。これによって、ダルビッシュは速球を奇襲として使うことができる強みを挙げ、世界最高クラスの球速と回転をもつ速球を第2の球種として使う贅沢を有しているとまとめている。
(Full-Count編集部)