今季自己ワースト8失点の楽天涌井 専門家が指摘した勝負の分岐点と鷹攻略法
ヤクルトや楽天でプレーした飯田哲也氏が解説「みんな弱点はある」
■ソフトバンク 8-1 楽天(9日・楽天生命パーク)
楽天の涌井秀章投手が9日、本拠のソフトバンク戦に先発し、5回9安打と打ち込まれ、今季ワーストの8失点で2敗目を喫した。2回1死に浴びたソフトバンク・デスパイネの今季1号ソロからリズムを崩し、最後まで立て直せなかった。ヤクルト、楽天でプレーした野球解説者の飯田哲也氏は勝負の分岐点となった涌井の一球と、今後の対策を分析した。
3回には追加点。6回にデスパイネに、この日2本目の2号3ランを浴び、この回6失点とつかまった。無傷の8連勝の時から「今年の涌井は直球の走りが素晴らしい」と涌井を絶賛していた飯田氏だったが「今日はストレートが走っていませんでしたね。コースも甘く、変化球に頼ってしまっていた。ホークス打線が初球から積極的にヒットゾーンへ運んでいた。デスパイネの2本目で決まってしまいましたね」と振り返った。
勝敗の分岐点はデスパイネの1本目の本塁打にあったという。打たれた球は1-1からの直球だった。デスパイネは差し込まれながらも、右翼席へ運んだ。「不用意な一球になってしまいました。デスパイネは復帰間もないですが真っすぐに強い打者。ストレートを見せつつ、変化球で勝負をするという考えがあったと思う。まだ(戦列復帰2試合目で)本調子でないから、探り探りだったのはないでしょうか?」と分析する。少し、こすり気味だったが、パワーで運んだ一発。変化球待ちでも対応できた。
直球に見えた陰り……そこをホークス打線が初球から狙ってきた。真っすぐの走りがこの試合で本来のものに戻ることはなかった。
デスパイネに対して、楽天バッテリーはストレートを被弾したことで次戦からは変化球攻めになるだろう。そこでどうデスパイネが反応してくるか――。その対応が今後のホークスとの戦いのカギを握る。
「柳田、グラシアル、デスパイネと3人が中軸にいる。とにかくコースを間違えないことです。低めに丁寧に投げていくしかありません。ただ、みんな弱点はあります。例えば、デスパイネの場合だったらアウトロー。うまく投げつつ、誘いつつ、投げていければ勝機はまだまだ十分にあると思います」
山場はまだ来る。首位ホークスとゲーム差は6と開いたが、まだシーズンは終わらない。この敗戦をただの負けにしてはいけない。
(Full-Count編集部)